利他的な遺伝子 柳澤嘉一郎著

利他的な遺伝子 柳澤嘉一郎著

利他的な行動を見聞すると、人は「本能的に」幸せを感じる。特に、自己犠牲を伴う利他行動にいたく感動する。東日本大震災でも、津波避難を呼びかけ続け自らは犠牲になった役場職員をはじめ、いくつものエピソードが伝えられ、反響を呼んだ。

学術用語の利他的や利他性は、「自分の生存や繁殖を犠牲にして、他のものの生存や繁殖を高めること」と厳密な定義になるが、人の場合は、人同士の共感や信頼、そして情愛と結び付く。

人は日頃、利己を優先して生きているが、その一方で純粋な利他性を持ち、「二つとも、本能として、遺伝子によって脳に刻まれている」という。ただし、この利他性の顕在化には、乳幼児期に「いつも優しく接してくれる“特定の人”」がいることが大事なようだ。いわば「三歳児神話」を裏付ける。

共感、信頼、情愛はどうすれば育てられるのか。科学の最新知見を交えて、人の本質に迫っている。

筑摩選書 1680円

  

関連記事
Topic Board トピックボード
人気連載
Trend Library トレンドライブラリー
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

Access Ranking
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • いいね!

※過去48時間以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※週間いいね数のランキングです。

トレンドウォッチ
行き詰まる東電支援<br>原発最後の選択

賠償費用も廃炉費用も想定から大きく上振れし、東電支援スキームは破綻の瀬戸際。東電の発電所を売却し、その代金を賠償や廃炉費用に充て、東電を送配電会社に再編する構想が浮上。