「出世嫌がる若者」理解せぬ中高年社員の意外な盲点 「ワークライフバランス」を重視する納得の理由

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平均3~6カ月といわれる就職活動期間に、自分の希望に合った企業をみつけて、知りたい情報のすべてを知るのは不可能に近いです。

スケジュールが過密すぎるし、企業から情報が出るタイミングや、選考時期も各社ほぼ同時です。一度に大量に入って来た情報を処理しなければならないし、企業の開示した情報と自分が知りたい情報にズレがあることもあります。「就職活動を始める前から希望の会社が決まってた」など、ピンポイントで絞れないかぎり、深く調べ尽くすことは難しいのです。

「思い違い」も生じると思います。そして、入社前に企業に抱いていた企業イメージと、入社してからの現実との間に大きなギャップを感じ、「こんなはずじゃなかった」ということになってしまうのです。

これについて、企業側にできる対策があるとすれば、就活生向けの広報活動を行う際に、アンケート調査などを参考に、「就活生が本当に知りたい情報を、得やすいようにする」などでしょうか。結果には原因もあると考えて対処することで、多少はギャップを回避できるかもしれません。

引き留めるかどうかは「理由次第」

上司が入社数年で辞めたい若者を引き留めるべきかですが、辞めたい理由や状況によると思います。本人に克服する気がない、あるいは上司や周りのせいにして、社内で会社への不満や辞めたい意思をちらつかせている場合は、引き留めないほうがいいと思います。

理由は、会社に不満や不信があって辞めたがる人がいると、周囲にも悪い影響が出るからです。また、辞める意思の強い人を無理に引き留めると、パワハラと取られてしまうこともあります。SNSなどで個人発信が旺盛な時代です。「辞めさせてくれない」などと拡散されれば、企業イメージがダウンする可能性もあります。

次ページでは、引き留めたほうがいい人とは?
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