キャンピングカー用品が地震などの災害現場へ 簡易トイレやポップアップルーフの活用に期待

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さらにクレサナは、水洗トイレと違い、おむつやウェットティッシュ、生理用品なども処理することが可能。また、使用する専用のフィルムライナーは、バクテリアバリア機能付きのため、医療現場で排出される感染性廃棄物(感染性疾患の患者の排泄物、使用済みおむつなど)にも対応。衛生的なことで、被災地やキャンピングカーだけでなく、介護現場や医療現場など、多様な場所での使用が可能だ。また、トイレの設置に必要なのは、使用後のフィルムライナーを熱圧着するためのDC12V電源のみ。電源を接続し、新品のフィルムライナーをセットすれば、すぐに使うことができる。

能登半島地震の被災地に設置されたトイレカー
能登半島地震の被災地に設置されたトイレカー(写真:トイファクトリー)
トイレカーの中には、個室トイレルームを2部屋完備
トイレカーの中には、個室トイレルームを2部屋完備(写真:トイファクトリー)

ちなみに、トイファクトリーでは、実際に、この新型トイレを搭載したトイレカーを開発し、能登半島地震の被災地である石川県珠洲市へ派遣。現地では、女性用トイレとして活躍しているという。また今後は、自社製作のキャンピングカーへ採用するのはもちろん、他メーカーや行政、一般ユーザー向けの販売も行う。トイレ本体には、丸型ベースとL型ベースの2タイプがあり、一般向け販売の価格(税込み)は26万4000円だ。

ホワイトハウス:スカイデッキ

ホワイトハイスキャンパーが展示していたスカイデッキ
ホワイトハウスキャンパーが展示していたスカイデッキ(筆者撮影)

一方、輸入車・自動車用品販売を手がけるホワイトハウスのキャンピングカー事業部「ホワイトハウスキャンパー」が展示したスカイデッキ。これは、前述のとおり、クルマのルーフ部に取り付けるポップアップルーフの新型だ。ポップアップルーフとは、停車中に上方へ展開することで、大人2名などの就寝が可能なベッドスペースを作り出せるシステムのこと。いわば、クルマの屋根に搭載するテントのようなものだ。

スカイデッキを折りたたんだ状態
スカイデッキを折りたたんだ状態(筆者撮影)

しかも、走行中は折りたためるため、車両はノーマルとあまり変わらない全高となる。走行風などの抵抗も少ないため、安定した操縦性を確保する。採用例は増加傾向で、本格的キャンピングカーをはじめ、ミニバンや商用バン、軽ワゴンなどをベースとし、内外装をあまり変更しない車中泊仕様車など、多様なモデルへの装着が目立つ。

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