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中国の司法が生成AIによる画像に著作権を認定 AIの発展と普及に積極的な共産党の姿勢を反映

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中国の裁判所が生成AI画像の著作権を認定。アメリカとの立場の違いが顕在化した。

米OpenAIが開発した「Sora」は、テキストの指示で動画を生成する機能で世界を驚かせた(写真:Getty Images)

アメリカのOpenAIが「Sora(ソラ)」を発表するなど、生成AI(人工知能)への関心が高まる中、中国の裁判所は先頃、AI生成画像に独自性を認め、著作権を認定する初の判決を言い渡した。アメリカでの従来の判例とは大きく異なる判断だ。

この判決は生成AI活用の可能性を広げる一方で、人がAIに指示する行為が「創作」だとすればゼロから創作に取り組む人はいなくなる、との批判もあり、議論を呼んでいる。

「著作物性が認められる」との判断が出たのは、ある愛好家が作成した「春風送来了温柔」と題する1枚のAI生成画像。漢服をまとった美少女の瞳が印象的な絵柄で、2023年2月、「中国版インスタグラム」とも称される「小紅書(RED)」に作者本人が投稿した。

ところが翌3月、この画像が「三月的愛情、在桃花里」と改題され、「電子透かし」が除去された形で別の個人向け投稿アプリに掲載されているのを作者が発見した。

この作者は画像生成の愛好者である一方、本職は弁護士。AI生成画像の著作権に明確な司法判断がないことに日頃から疑問を感じており、これを機に「作品の著作権が侵害された」として、謝罪と損害賠償を請求する訴訟を8月、「北京インターネット裁判所」に提起した。

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