「やる気なくても勉強はかどる」スゴい"脳の取説" 「忙しくて誘惑が多い大人」こそ試してほしい

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重要なポイントは「効率化」という部分だろう。

つまり理想に近いかたちで学習するにあたっては、効率的に勉強できるしくみを理解し、それを実践することが大きな意味を持つのだ。

ただし、効率的に勉強したいという気持ちがあったとしても、私たちはしばしばそれら「やるべきこと」を先延ばししてしまいがちでもある。もしかしたら勉強以前に、その点が大きな障壁になってしまうかもしれない。どことなく矛盾した話だが、それは現実だ。

では、「先延ばししたい」という思いに屈することなく勉強するためには、いったいどうしたらいいのだろうか?

意志よりも、習慣に頼る

朝、起きてからコーヒーをいれたり、あるいは歯を磨くなど、私たちが1日のうちに行うことの大半は、無意識のうちに行われている。それらは完全に習慣化された行為であるため、わざわざ「そのルーティンを始めよう」と意識する必要もないのだ。もちろん、それらを先延ばししてしまうようなこともないだろう。

注目すべきは、寝る前に歯磨きをするくらい習慣的に勉強を始められるようにしたいものだと著者が述べていることだ。たしかにそうかもしれないが、どうすれば行為を習慣にできるのだろうか?

その答えは、「くり返し、やり続ける」ことだという。

第一に、個別の行為として行うのではなく、流れのなかで行うほうが習慣化しやすくなります。
習慣は、合図によって引き起こされるという点において記憶と似ています。その環境(あるいは心の中)において何かが起こると、それが「これを今やりなさい」という合図となって心の中の行動計画に働きかけます。(265〜266ページより)

たとえば風呂に入った場合には、「からだを洗って、シャンプーとリンスをして……」というようなルーティンがあるはずだ。つまりそんなときには、ひとつの行為の終わりが、次の行為への合図となっているのである。つまり同じように、毎日確実に行うことを合図にするべきなのだ。

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