一流とは「不安でも強気でいられる人」だった 心が強い人が持つ「3つの力」

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ロイ・バウマイスター博士らが行った心理学の研究でも、200以上の文献をメタ分析した結果、人の行動や認知の幅広い範囲で「悪は善よりも強い」という一般原則が成り立つことがわかりました。

さらには、類は友を呼ぶ、ではありませんが、ネガティブな思考や感情は粘着性があり、脳に長く残ることがあります。不安が憂鬱感や無力感を引き寄せ、心を疲弊させて、私たちを弱気にさせてしまうのです。

不安でも強気でいられる人が持つ「3つの力」

しかし、これには解決策があります。次の3つの力を身につければいいのです。

第1が、逆境に負けない力「レジリエンス」です。第2が、不安定な状況でも、見通しが立つ力「ウェイパワー」です。そして第3が、困難があっても、最後までやり遂げる意志の力「ウィルパワー」です。

これら3つの力は、一流と言われる人であれば必ずもっているものだと考えます。そして、心理学の研究により、強気の源と言えるこれら3つの力はトレーニングできることがわかっています。

体の筋肉と同じと考えるとわかりやすのですが、使わないでいると弱くなってしまいます。そうならないためには、意識して使い続けると同時に、筋肉と同じように適切にトレーニングをして鍛え続けることが大切なのです。

一流のアスリートが、自分の体を余念なくストイックに鍛え続けるように、どんな状況でも強気でいられる人材に変わるためには、「レジリエンス」「ウェイパワー」「ウィルパワー」、この3つの力を高める決心をして、これらを鍛える習慣を始めればいいのです。本連載では、この3つの力「レジリエンス」「ウェイパワー」「ウィルパワー」について紹介していきたいと思います。

 

【お知らせ】6月18日(木)八重洲ブックセンター本店で久世浩司氏のトークイベントが開催されます。詳細はこちらから

 

久世 浩司 ポジティブサイコロジースクール代表

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くぜ こうじ

株式会社レジリエンス・コンサルティング代表取締役

1972年岐阜県大垣市生まれ。慶應大学卒業後、P&Gに入社。化粧品事業のマーケティング責任者としてブランド経営と商品・広告開発に携わる。その後、最新の心理学を人材育成に活用する講師とコーチを育成する社会人向けスクールを設立。専門はレジリエンス。NHK「クローズアップ現代」ではレジリエンス研修が取り上げられた。著書に『世界のエリートがIQ・学歴よりも重視! 「レジリエンス」の鍛え方』(実業之日本社)、『リーダーのための「レジリエンス」入門』(PHP研究所)、『なぜ、一流の人はハードワークでも心が疲れないのか?』『なぜ、一流の人は不安でも強気でいられるのか?』(ともにSBクリエイティブ)など。
 

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