韓国大統領が「岸田首相愛」をほとばしらせるワケ 1日でも長い岸田政権継続を願う尹錫悦

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いったん政治決着した徴用工問題は、韓国司法ではまだ解決の道筋がつかず不安定化している。尹政権の機能不全は、当然、日韓関係にも大きな影響を与えることになるだろう。

当初、日韓両首脳周辺で漠然と浮かんでいた理想像は、岸田首相が2024年秋の自民党総裁選で再選し、2027年に退任する尹大統領との間で3年間、さらに両国関係を発展させるという案だった。

4月の韓国総選挙でどうなるか

具体的には、韓国総選挙を何とかうまく乗り切り、2023年の初来日のようなドタバタした中ではなく、ゆったりした日程で公式訪問を実現させる。

そして、現在の日韓関係の土台となっている1998年の小渕恵三首相と金大中大統領による「日韓共同宣言」(21世紀に向けた新たな日韓パートナーシップ)に続く宣言を、岸田・尹で発表し、2人の名を歴史に刻みたい――。そんな構想だったが、日韓ともに先が見通せない厳しい現状が続いている。

箱田 哲也 朝日新聞記者

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はこだ てつや / Tetsuya Hakoda

1988年4月、朝日新聞社入社。初任地の鹿児島支局や旧産炭地の筑豊支局(福岡県)などを経て、1997年から沖縄・那覇支局で在日米軍問題を取材。朝鮮半島関係では、1994年にソウルの延世大学語学堂で韓国語研修。1999年からと2008年からの2度にわたり、ソウルで特派員生活を送った。

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