「日経平均バブル超え」になったら何が起こるのか 日本株高騰の背景と株式市場が待ち受けるリスク

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結局、残るところは、日本市場やインド市場ということになり、投資資金の豊富なアメリカや日本などへの投資が増加する傾向にある。今後さらに地政学リスクが高まれば、少なくとも戦争を放棄している日本市場への注目が集まるのも自然と言える。

4.日本経済への期待度

OECD (経済協力開発機構)が2023年11月29日に発表した経済予測によると、世界経済全体の2023年の経済成長率は2.9%。2024年は2.7%、2025年は3.0%と予測。アメリカの成長率は2023年2.4%、 2024年1.5%、2025年は1.7%。対して日本は23年1.7%、2024年1.0%、2025年には1.2%に回復すると予測している。

英国が2024年0.7%、2025年1.2%と予想されているように、日本は先進国の中でもまぁまぁの成長率が予想されている。ヨーロッパのような地政学リスクが少ないだけ、大きなサプライズはないと考えられているようだ。

さらに、最近になって急浮上してきたのが、2024年最大のリスクとも言われるトランプ米大統領の再選という「もしトラ」リスクだ。保護貿易への回帰、気候変動対策への滞り、NATO脱退の可能性もほのめかしている防衛に対する方向転換などなど、アメリカの経済にも大きな影を落とす可能性が出てきた。

むろん、日本にも日銀によるマイナス金利脱却、超緩和政策からの脱出を目指していくリスクは残っているが、他の国と比較すれば消去法で日本が残る、というわけだ。IMFの景気予測でも、日本はさほど高い成長率を予測しているわけではないが、アメリカには依然としてハードランディングのリスクがあり、世界景気に対して若干の不安があるのは事実だ。

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