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エネオスが「セクハラ」で社長辞任を連発する真因 「濡れ手で粟」の寡占構造でヒマを持て余す

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エネオストップのイメージイラスト
(イラスト:北沢夕芸)
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別にこのネタを書きたいわけじゃないけど、避けて通るわけにもいかない。

というわけで、2代続けてトップがセクハラ辞任した異常事態を解説する。

舞台は石油会社(元売り)最大手、ENEOS(エネオス)ホールディングス(HD)。売上高は15兆円で、日本4位を誇る。まさに、日本を代表する巨大企業である。

その社長だった齊藤猛氏は、昨年末、懇親会の席で女性に抱きついて解任に追い込まれた。

その前年にはCEO(最高経営責任者)だった杉森務氏も沖縄のホステスに性的暴行を加えて怪我を負わせ、辞任している。

いや、前代未聞っす。

ジャニーズ事件にも引けを取らない破廉恥な企業事件である。

ヤバい。かなりヤバい。

この事態を、単に経営トップの個人的資質の問題として片付けてはならない。この業界は終末期に近づいている。巨獣の断末魔の叫びにも聞こえる。その業界構造を解き明かしていきたい。

寡占2社に流れ込む補助金のカラクリ

まず指摘したいのは、この業界はすでに実質2社(エネオスと出光)しか残っておらず、本来なら「寡占」と判断され、独占禁止法の対象になりうる状況だということ。しかも、競争で勝ち残った2社とはいいがたい。

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