「年収400万以下の夫」を選んだ妻が絶賛する理由 婚活で「高年収の男性」探した彼女が気づいた本質

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裕二さんの努力はそれだけではない。晴香さんと一緒に関西で住むために、14年間勤務した会社に辞表を提出。かつて自分を可愛がってくれた社長の跡取り息子に業務を引き継いだ。そして、大阪にある同業他社に移ることが決まっている。

「以前にも引き抜きの声をかけてもらっていたので改めて相談したところ快諾していただきました。規模が大きな会社なので、給料も前職よりアップします」

結婚という冒険の旅

一人暮らしをしていた実家を引き払い、今は晴香さんの自宅で一緒に住み始めている裕二さん。2人で住むには手狭なので新居を探しているところだが、自然を近くに感じたいという晴香さんの希望が最優先だ。

「理想を言えば子どもが欲しいですね。晴香さんと一緒に育てたらどんな子が育つのかを見てみたいし、7歳年上の僕が死んだ後に彼女を一人きりにしたくはありません」

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裕二さんは自分を抑えて無理をしているわけではないと思う。晴香さんのように賢くて尊敬もできる人についていきたい性質なのだ。リーダーシップではなくフォロワーシップに優れた男性、次男気質と言えるかもしれない。

思い描いた理想の相手と結ばれることだけが結婚の醍醐味ではない。予想外の相手に光り輝くところを見出し、考えもしなかったような共同生活を味わうほうが面白い。晴香さんと裕二さんはいま、結婚という冒険の旅を始めている。

本連載に登場してくださる、ご夫婦のうちどちらかが35歳以上で結婚した「晩婚さん」を募集しております(ご結婚5年目ぐらいまで)。事実婚や同性婚の方も歓迎いたします。お申込みはこちらのフォームよりお願いします。
大宮 冬洋 ライター

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おおみや とうよう / Toyo Omiya

1976年埼玉県生まれ。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリングに入社するがわずか1年で退社。編集プロダクション勤務を経て、2002年よりフリーライター。著書に『30代未婚男』(共著、NHK出版)、『バブルの遺言』(廣済堂出版)、『あした会社がなくなっても生きていく12の知恵』『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました。』(ともに、ぱる出版)、『人は死ぬまで結婚できる 晩婚時代の幸せのつかみ方』 (講談社+α新書)など。

読者の方々との交流イベント「スナック大宮」を東京や愛知で毎月開催。http://omiyatoyo.com/

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