「年収400万以下の夫」を選んだ妻が絶賛する理由 婚活で「高年収の男性」探した彼女が気づいた本質

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そんな裕二さんだが、結婚願望はあったものの彼なりにこじれた20代30代を送っていた。昔の恋人への気持ちを捨て切れなかったという。

「中学校からの同級生と、大学生になってから付き合っていました。社会人になってから浮気されてしまって別れたのですが、10年間ぐらいは引きずっていて……」

ようやく気持ちを切り替えられた頃、勤務先の社長に勧められて商工会議所主催の婚活パーティーに参加。しかし、ゴルフや海外旅行の話に混じることができず、条件のよい競争相手が多い東京での婚活の厳しさを感じたという。裕二さんは40歳を迎えようとしていた。

「婚活を続けていたのですが、年収400万円以下の僕は検索条件ではねられることが多かったです。ようやく会えてLINE交換ができても、一方的なメッセージを送ってしまったりして交際には至りませんでした」

初めてのデートで「たぬきがこけた」

スマートなコミュニケーションが得意とは言えない裕二さんだが、とにかく優しく、老若男女をリスペクトできるという長所がある。婚活の場でわかりやすいスペックにはならないが、こだわりの強い晴香さんにはそれが遺憾なく発揮された。

初めてのデートは桜の季節だった。裕二さんが晴香さんの住む関西に出向き、一緒に桜を見ながら散歩をした。Zoomではあんなに話していたのに会話は弾まない。晴香さんは緊張のあまりしゃっくりが出てしまったという。

「晴香さんは『たぬきがこけた』と言いながら水を飲んでいました。しゃっくり止めのおまじないらしいです。可愛らしいなと思う反面、ちょっと引きました」

と言いながら大笑いする裕二さん。かつては浮気性の恋人への想いに苦しんだこともある。真面目で不器用なところがある晴香さんと会い、安らぎを覚えたのかもしれない。

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