日経平均は小幅続落、次の方向感探る 欧米金利への警戒重荷、一時2週ぶり安値 

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 6月8日、東京株式市場で日経平均は小幅続落。5月米雇用統計が市場予想を上回る内容となりドル高/円安が進行した。(撮影:尾形文繁)

[東京 8日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は小幅続落となった。5月米雇用統計が市場予想を上回る内容となりドル高/円安が進行。国内では1━3月実質GDP(国内総生産)2次速報が大幅上方修正となったことも好感され、朝方は買いが先行した。だが欧米金利の動向などへの警戒感から利益確定売りに押され、指数は一時2週ぶりの安値を付けた。後場に入ると日銀によるETF(上場投資信託)買いへの思惑が広がり一時プラス圏に浮上した。

前週末の米雇用統計の発表を受け、外為市場では一時1ドル125円後半までドル高/円安が進行したものの、きょうの東京市場で主力輸出株は軟調に推移した。トヨタ自動車<7203.T>が前週末比で1%超安。大手電機株も総じて下落した。

寄り付き前に内閣府が発表した1─3月期実質GDP2次速報値は年率換算でプラス3.9%。1次速報値(プラス2.4%)から大幅な上方修正となった。市場では良好な需給や円安基調の継続、回復基調にある国内景気など「日本株には好条件がそろっている」(外資系運用会社)と評価する声もあったが、海外市場の不透明感が日本株の重荷となった。「欧米金利の上昇への警戒感とともに、米国の利上げへの意識が高まった」(丸三証券・経済調査部長の安達誠司氏)という。

今週末にメジャーSQ(特別清算指数)算出を控え、先物でポジション調整的な売りが出たとの声も聞かれた。日経平均の下げ幅は一時100円超となり、5月25日以来の安値水準まで下落。その後は日銀によるETF買いへの思惑から一時プラス圏に転換したものの、大引けにかけては方向感の乏しい動きとなった。

個別銘柄では三重交通グループホールディングス<3232.T>がストップ高比例配分。2016年の主要国首脳会議(サミット)の開催地が三重県志摩市に決定したことで、沿線地域への経済効果などの期待から材料視された。近鉄グループホールディングス<9041.T>や百五銀行<8368.T>、三重銀行<8374.T>もしっかり。

半面、東京製綱<5981.T>が軟調。5日、公募による自己株の処分などで最大約38億円を調達すると発表したことで、需給悪化などを懸念する売りが出た。

東証1部騰落数は、値上がり856銘柄に対し、値下がりが875銘柄、変わらずが154銘柄だった。

日経平均<.N225>

終値      20457.19 -3.71

寄り付き    20537.85

安値/高値   20359.06─20544.94

 

TOPIX<.TOPX>

終値       1661.99 -5.07

寄り付き     1672.69

安値/高値    1657.99─1673.16

 

東証出来高(万株) 211708

東証売買代金(億円) 22881.79

 

(長田善行)

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