鳥取、赤字ローカル線にも「成長余地」はあるのか 地方都市で鉄道が果たす役目はまだまだ大きい

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では本線を名乗りながら輸送密度1000人以下の鳥取駅より東側はどうなっているのか。平日日中の浜坂行き普通列車に乗った。キハ47形2両編成の列車は、各車両に10人ぐらいずつ乗っていた。予想以上に多いというのが正直な印象だ。客層も若者から高齢者までさまざまだった。

山陰本線の普通列車
山陰本線の普通列車(筆者撮影)

隣の福部駅までは11.2kmと、山陰本線で最長の駅間距離となる。途中に峠があり、滝山信号場が設けられている。山間部はさすがに家が少ないが、福部駅周辺は、平成の大合併以前は福部村の中心地だったので、駅の近くに地域支所や公民館があり、住宅も立ち並んでいた。

【2024年1月4日15時35分追記】信号場の名称に誤りがありましたので上記の通り修正しました。

とはいえ2023年9月現在で、福部村だった地域の人口は3000人未満。しかも総合支所前から鳥取砂丘や中央病院、県庁を経由して鳥取駅に向かうバスが1時間に1〜2本あり、こちらが公共交通の主役になっているようだった。

鳥取の1駅隣の現状は…

対する福部駅は数人が過ごせる小さな駅舎があるだけで、駅前には丸型ポストや公衆電話がある。とても鳥取駅の隣とは思えない。

山陰本線福部駅
山陰本線の福部駅(筆者撮影)

ここが鳥取市の最東端で、岩美町を抜けて県境を越え、浜坂駅に至る。両端の駅を除くと岩美駅が、町の中心ということもあり利用者があった。折り返しも同様だが、終点の鳥取駅では、乗客数は行きの列車を上回るほどになっていた。

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