宝くじ「高額当せん続出」という売り場のカラクリ 「出る」と噂の売り場に並ぶ価値はあるのか

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「宝くじを買えば億万長者になれる」という成功法則には「再現性がない」と思っているのに、「出る店で買ったら、当たるかも」と思ってしまうのは、おそらく統計リテラシーがないのではないかと思ってしまいます。

まず、宝くじの仕組みを簡単に説明しましょう。宝くじは総務省が所管しており、収益金は地方公共団体の財源に充てるものです。宝くじの販売総額のうち、賞金や経費などを除いた約40%が収益金として発売元の全国都道府県及び全指定都市へ納められ、高齢化・少子化対策や防災対策、公園整備、教育及び社会福祉施設の建設・改修などに使われています。

(画像:『はじめての統計学 レジの行列が早く進むのは、どっち!?』)

売れ残った宝くじの行方

「売れ残った宝くじから当せんは出ないの?」と考えたこともあるかと思います。理論上、売れ残った宝くじから当せんが出ることはあります。しかし、抽せん前に売れ残りの宝くじは断裁処分されるので、これに対して当せん金が支払われることはありません。

宝くじの当せん金は、支払い開始日から1年で時効になります。2018年の「年末ジャンボ(ミニとプチを含む)」では、支払期限(2020年1月6日)の半月前になっても、7億円2本、1億5000万円4本をはじめとして、1000万円以上の高額当せんが86本、総額約30億円が未換金状態だったそうです。ちなみに、支払期限を過ぎた場合は、その時効当せん金は都道府県や市町村などの地方自治体の収益金として分配されます。

宝くじに外れたとしても、「世のため、人のために使われているなら」と思えればいいのですが、身銭を切って夢を買っている以上は「高額当せんしたい」というのが本音だと思います。ギャンブルでもゲームでも、なにかの賭け事をするときに知っておかないと損をすることは、「それは自分にとって、勝てる確率が高いものなのか?」ということです。

宝くじの当選シミュレーションをしながら、ギャンブルの勝率を左右する3つの数字について解説していきます。

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