頭がいいか一発でわかってしまう「2つの質問」 これからの時代に必要なのは質問をする力だ

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質問は多くのメリットを持つ最強のコミュニケーション技術だが、ここでは、最も基本的な目的である「相手から有益な情報を得る」ために、使い勝手の良いフレーズと型を2つ、ご紹介しよう。

「正確にいうと、どういう意味ですか?」

これは、会話の中で使われている言葉の「定義」を聞く質問だ。得られる情報の精度をより高めるためのコツのひとつは、「3WHAT」の順序で質問を重ねていくことだ。

質問の3つのWHATとは、

「定義」=それは何か
「現象」=何が起こっているのか
「結果」=何がその結果起こるのか

これらを質問のポイントとして押さえるクセをつけよう。

「その○○という言葉を僕はこういう意味で使っているんだけど、あなたは違うのかな?」などの質問で定義を確認したあとは、「それによってどんな問題が起こっていますか?」と現象・現状を聞き、さらに、「今後、どんな結果がもたらされるのでしょう?」と、将来についての予想や展望を明らかにする質問を投げかける。

これらの質問によって、あなたが相手から得られる情報の精度は必ず高まるだろう。

「3W1H」を使った質問

「それはどんな理由で、いつから起こっている?」

次に、「3W1H」を使って相手の説明の欠けたピースを補うための問いの立て方をご紹介する。質問の3W1Hとは、

・「WHY・理由(なぜ?)」
・「WHERE・地理(どこで?)」
・「WHEN・歴史(いつから?)」
・「HOW・対策(どうすればいい?)」
『頭のいい人は「質問」で差をつける』(だいわ文庫)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

これらも、精度の高い情報を引き出すために欠かせないポイントを押さえる質問の型だ。

「それはなぜ大切なのですか?」(理由)、「以前にいらした部署ではいかがでしたか?」(地理)、「うちの部署ではいつからやっているんですか?」(歴史)、「解決のためにはどんなシステムの導入が役立つのでしょう?」(対策)

こうした視点を外さぬよう、相手の話を聞きながら問いを投げかけていけば、実りある会議や打ち合わせを経て有益な情報を得ることができるうえに、あなたの評価も大きく上がり、一目置かれることだろう。

樋口 裕一 多摩大学名誉教授

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ひぐち ゆういち / Yuichi Higuchi

1951年大分県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、立教大学大学院博士課程満期退学。フランス文学、アフリカ文学の翻訳家として活動するかたわら、受験小論文指導の第一人者として活躍。現在、多摩大学名誉教授。通信添削による作文・小論文の専門塾「白藍塾」塾長。250万部の大ベストセラーとなった『頭がいい人、悪い人の話し方』(PHP研究所)のほか、『頭がよくなるクラシック』『頭がいい人の聞く技術』『65歳何もしない勇気』(幻冬舎)など、著書多数。

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