吉田カバン、コロナ後売れ筋の「仕事バッグ」事情 年齢や役職を問わずに実用性が重視される

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中に入れる荷物は重量化した。PCだけでなく、折りたたみ傘やペットボトル飲料を常に携帯する人も増えた。キャッシュレス化で財布は小型化したが総重量には大きく影響しない。

コロナ禍で興味深かったのが、バッグに化粧ポーチを入れない女性が増えたこと。今回も「今でも入れていません。夏は化粧直しの品も増えるのでポーチを使いますが、冬は化粧崩れしないので、そこまで化粧品がいらなくなりました」(20代の女性)という声を聞いた。

「取引先へのプレゼンや発表会」に向くバッグは?

バッグ選びは服装との関連性も大きい。コロナ禍以降、さらにカジュアル化が進み、会社にお客さんが来ないような内勤日は、カジュアルな服装で働く人も多い。

「そういう日はバッグの形状を気にしない方もおられます。一方で、『あらたまった場で使いたい』という理由で上質なバッグを選ばれる方もいます」(名倉氏)

例えば取引先への重要なプレゼン日や発表会を主催する側として出席する日だ。ふだんカジュアル姿の同僚や社外関係者がスーツ姿になることも多い。

「そうした日に向くバッグとして人気なのが『ポーター クラーク』のブリーフケース(税込み5万9400円、以下同)です。牛ステアを使った革製の手提げバッグで、クラシックな見た目ですがマチ幅もあり、手に持つと思ったよりも軽いです。また内装にはポケットを配し、スマホはもちろん、折りたたみ傘やペットボトルも入れられます」(名倉氏)

吉田カバン
手提げタイプ「ポーター クラーク」のブリーフケース(左写真提供:吉田カバン)、マチ幅も意外に広い(右写真は筆者撮影)

近年は責任ある立場に就く女性が増え、メンズ向け商品を選ぶ人もいるという。

「よく聞くのが、『レディース用はかわいいタイプが多いので、落ち着いた雰囲気のメンズ用がいい』という声で、その視点からバッグを選ぶ女性もおられます」(名倉氏)

男性用で圧倒的人気の色はブラックだが、最近は鮮やかな色合いも増えてきた。ダイバーシティの時代を反映して、メンズ用・レディース用の垣根も低くなっているようだ。

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