「子どもの学習意欲」がどんどん高まる親の語り方 好奇心を掻き立てるストーリーテリングの方法

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そこで、子どもに自ら「学びたい!」「繰り返したい!」という気持ちになってもらうために、モンテッソーリ教育の先生は、知識を教え込むよりも、手(感覚器官)を使って感じる(印象を得る)ことや、ワクワクする気持ちを生むこと、プロセスを大切にします。

良い先生は、意外な事実や謎を物語る

そのためにモンテッソーリ小学校の先生がすることのひとつが、意外な事実や謎を物語にして子どもにお話しすることです。そうすることで、子どもの「それって、どういうことなんだろう?」という好奇心を掻き立てて、「知りたい! 学びたい!」という学習意欲に火をつけるのです。

実は、モンテッソーリ教育では、「良い先生は、良い物語の語り手(ストーリーテラー)」と言われています。子どものワクワクを喚起するお話を、いかに上手にできるか。それが先生の腕の見せどころなのです。

そのため、先生は普段からあらゆる分野に興味を持つことを心掛け、興味を持ったことをくわしく調べておきます。子どもたちが「何それ、知りたい!」と興味を持ってくれそうなことのネタを、普段から探しておくように努力しているのです。

先生は日ごろから集めておいたネタを、子どもたちが興味を持ってくれそうなタイミングでお話しします。例えば、「○○君が大好きなけん玉って、誰がつくったか知ってる? もともとはフランスからやって来て……」という具合です。子どもが話の内容をイメージしやすいように、写真やイラストを見せながらお話しすることもあります。

熱心に先生の話す物語を聞く子どもたち

先生は前もって話す内容を5〜10分程度の物語にまとめておきます。まとめるときは、子どもがワクワクするような事実や歴史を盛り込むようにするのがポイントです。また、先生はスムーズにお話しできるように事前に練習もしておきます。

すると、先生のお話で興味を持った子どもの中に、気になった事柄について、自分で調べ始める子が出てくることがあります。

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