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米シティ幹部が語る、COP28の焦点と金融の役割 脱炭素加速が急務、日本のGX経済移行債に期待

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シティグループのフィリップ・ブラウン氏(撮影:梅谷秀司)
2023年11月30日から12月12日にかけて、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで、「国連気候変動枠組条約第28回締約国会議」(COP28)が開催される。これに先立つ11月20日、国連環境計画(UNEP)が発表した「排出ギャップ報告書」によれば、現在、各国が掲げている温室効果ガスの排出削減目標が達成されたとしても、21世紀末の気温上昇は産業革命前と比べて2.5~2.9度も上昇すると予想されている。
破局的な状況を回避するために、政府や金融機関、企業は何をすべきか。世界大手金融シティグループでサステナブルファイナンス分野の責任者を務めるフィリップ・ブラウン氏にインタビューした。


――まもなく、COP28が開催されます。COP28の重要性をどのようにとらえていますか。

COP28の重要性は高い。各国が合意した温室効果ガス排出削減目標に対して、実際の進捗度を検証する初めての機会である「グローバル・ストックテイク」が実施される。ただ、これまでに指摘されているように、今の取り組みのままでは今世紀末までの気温上昇はパリ協定で合意された「2度目標」およびその後に強化された「1.5度目標」を大幅に上回ってしまう。

それゆえ、ドバイでは、「われわれは温室効果ガスの削減にもっと努力しなければならない」というメッセージが出されるだろう。

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