人気の宇都宮LRT、頻発する「車と衝突」どう防ぐ? 路面電車との共存に不慣れな運転者が多い

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すべてのドアにはICカードの読み取り端末が設置されており、乗車用は外側に向いて低く、降車用は内側に向いて高い位置に設置されているのだ。この配慮によって、乗車も降車もストレスなくタッチすることができ、実に利用者目線で設置された設備だと感じた。

列車も日中は約12分間隔で運行されているが、遅延した場合に臨時便を増発することもあり、アクティブな運行がされている。宇都宮ライトレールの担当者によると、沿線の学校の生徒の中には、「ライトラインを利用する予定はなかったが、友人が使い始めてあまりにも便利だというので定期を購入したという人もいた」と話す。また、「土日については遠方からわざわざ乗りに来てくださるお客様も多く、計画を大幅に上回る利用者数となっている」とのこと。

9月だけで車両事故が3件

明るい話題がある一方、自動車などとの事故も発生している。まずは9月1日に発生した、清原地区市民センター前停留場付近で発生した事故。現場は並行する敷地内に向かうための道路が軌道内を横切っており、右折して進入しようとした自動車と同停留場を発車した列車が衝突した。

またその4日後の9月5日には、赤信号を見落とした自動車と進行してきた列車が衝突。さらに9月17日にも、軌道すぐ横のゼブラゾーンに停車中の自動車と列車が接触する事故も起きている。9月だけでも車両事故が3件起きている。いずれも、路面電車の動きに不慣れなドライバーが主に引き起こしている事故だ。

ライトラインの軌道ルート(宇都宮駅東口―芳賀・高根沢工業団地間)は、全線が道路上に敷設されており、すべての区間が併用軌道である。自動車などと並走するため、誤って自動車が誤進入してしまう可能性がある。特に開業直後から自動車との事故について、今後はどのような対策をしているのか。

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