二宮和也「独立しても嵐」が及ぼす4者への重大影響 現役、退所者、業界、メディアはこう変わる

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今後どんな道を選ぶか、所属タレントの多くが選択を迫られている(画像:尾形文繁)

この「退所しても嵐」という発言は、単にファンを安心させただけではありません。これまで旧ジャニーズ事務所は、退所したタレントを事実上の“共演NG”にするなどの厳しい態度を取り、メディアもそれに応じてきました。退所してやりたいことをやろうとすると、グループ活動をあきらめなければならず、それどころか、苦楽をともにしたメンバーと共演すらできなかったのです。

だからこそ「“共演NG”がなくなるどころか、同一グループとしての活動も可能」という二宮さんのコメントは業界関係者を驚かせました。「独立しても本人たちが希望すれば、グループ活動のみのエージェント契約が可能」という形の容認は、当然ながら嵐だけでなく他のグループにも対応するものでしょう。今後、KinKi Kids、NEWS、関ジャニ∞、KAT-TUN、Hey!Say!JUMP、Kis-My-Ft2、Sexy Zone、WEST.、King & Prince、SixTONES、Snow Man、なにわ男子、Travis Japanなどでも同様のケースがいつ生まれてもおかしくないのです。

たとえば、「ソロ活動に意欲的で、企業からのオファーも多い」「海外での活動を増やしていきたい」という人は二宮さんのような形のほうがメリットはあるのでしょう。つまり、人気や実力、さらに目標のある人ほど、「個人は個人事務所、グループは新会社」という形が広がる可能性を秘めているのです。

複数事務所での「チームJAPAN」も

「退所しても嵐」の容認を聞いたとき、反射的に「じゃあSMAPは?」「NEWSやKAT-TUNもあり?」「King & Princeの再集結もありえる?」などと感じた人もいるのではないでしょうか。新会社や東山紀之社長や井ノ原快彦副社長としては、収入とイメージアップなどの点で、退所メンバーの再合流を拒む理由はないようにも見えます。

ただ、実際のところ、本人たちの意思やメリットを考えると現実的ではないところが大きいでしょう。しかし、「事務所ではなく本人たち次第だから『ない』とは言えない」というファンが希望を持てる状態に変わったことは間違いありません。

そもそもAKB48やバラエティー番組内で誕生したユニットなどのように複数の芸能事務所に所属するメンバーで構成されたグループもあり、今回の「退所しても嵐」は決してできないことでも、不思議なことでもないのです。その意味で「最も退所者に厳しく、最も他事務所との交流を避ける」と言われていた旧ジャニーズ事務所の変化は業界内に少なからず影響を与えるでしょう。

もしかしたら、芸能事務所の枠を超えた交流が活発になり、思わぬ他事務所間のユニットが誕生するかもしれません。たとえば、各芸能事務所のダンスボーカルグループからダンススキルが高いメンバーをそろえて日本代表的なポジションのユニットができたら面白いのではないでしょうか。その他でも、歌に加えて英語が得意で世界を狙うユニットの結成など、「チームJAPAN」として世界と戦っていくことを考えるべき段階に入っているようにも見えるのです。

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