京急、名称消滅「エアポート急行」13年半の変化 11月25日以降は「急行」、空港連絡以外も活躍

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途中駅の仲木戸は京急東神奈川に改まった。開業は1905年と歴史が古い。京急東神奈川を名乗ることで、ペデストリアンデッキで直結するJR横浜線・京浜東北線の東神奈川駅との乗換駅であることを前面に出した。エア急の停車駅となった際には8両編成に対応できるようにホームの改良工事をした。

京急仲木戸駅
「仲木戸駅」だったころの京急東神奈川駅=2019年5月(記者撮影)

もう一方の始発・終着駅、逗子・葉山は「新逗子」という駅名だった。1930年に現在の北口付近に「湘南逗子」が開業、1985年に海側にあった「逗子海岸」の駅と統合し、新逗子になった。

葉山へのレジャーの足

逗子・葉山に改称した理由の1つとして同社は当時「羽田空港からの直行電車の終端駅のため、行き先として駅名が表示されることにより、多くのお客さまに保養地、景勝地である葉山へのアクセスポイントでもあることを広く認知していただく」と説明していた。

京急新逗子駅
「新逗子駅」だったころの逗子・葉山駅南口=2019年8月(記者撮影)

実際、休日の午前中、逗子・葉山行きのエア急の車内では企画乗車券「葉山女子旅きっぷ」のリーフレットを手にしたレジャー客の姿も目立つ。エア急は、そのネーミングで京急の空港アクセスの利点をアピールするだけでなく、沿線の観光の足としても大きな役割を果たしてきたと言えそうだ。

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橋村 季真 東洋経済 記者

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はしむら きしん / Kishin Hashimura

三重県生まれ。大阪大学文学部卒。経済紙のデジタル部門の記者として、霞が関や永田町から政治・経済ニュースを速報。2018年8月から現職。現地取材にこだわり、全国の交通事業者の取り組みを紹介することに力を入れている。

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