60歳以降「若く見える人」と見えない人の決定的差 腸を健康に保ち「細胞の炎症」を食い止める

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私自身、蕎麦が大好物なのですが、検査をしてみると、なんと蕎麦アレルギーがあることが発覚しました。恥ずかしながら、医者であるものの長年の間、自分に蕎麦アレルギーがあるとは全く気が付きませんでした。「これまで普通に食べてきたのになぁ」と半信半疑ながら、しばらくの間、蕎麦を控えてみたのです。

すると、これまでたまに感じていた「体調が悪いなぁ」「お腹が張るな」という感覚が、なくなったことに気が付きました。

相変わらず蕎麦は私の大好物なので一切食べないということはないのですが、格段に食べる回数を減らしました。おかげで、以前のような体の不調は、ほとんど感じることがなくなりました。体の中でひそかに進んでいた老化が、アレルゲンだった蕎麦を控えたことによって改善されたのではないかと思っています。

みなさんも、もしかしたらご自身の知らないところでアレルギーが発生している可能性もあります。少しでも老化を食い止めたいと思うのであれば、一度、ご自身の遅延型アレルギーについて、真剣に向き合ってみてほしいと思います。

美容医学のメリットを考える

最近の美容医学や抗老化医学の発展には、目をみはるものがあります。
たとえば、薄毛治療ならば、市販の育毛剤やサプリメントを買うよりは、病院で処方されるAGA治療薬を飲むほうが、かなりの発毛効果が期待できます。自費治療なので高額だと感じるかもしれませんが、毎月数千円で薬を手に入れることができます。

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市販の育毛剤よりは高いかもしれませんが、効果は歴然です。肌も同じで、シワ取りクリームを買うよりは、美容皮膚科のクリニックに行って、適切な薬や治療法を処方してもらうほうが効果はあります。

最近では、張りのある肌を取り戻すため、年齢関係なくヒアルロン酸やボツリヌストキシンなどの注射を打つ方も少なくありません。私自身、見た目の若さを維持するために、定期的にボツリヌス注射(一般的な商品のボトックスより顔を引きつらせることが少ないディスポートという薬剤)を打っています。ボツリヌス注射を打つと、肌に張りが出てシワがなくなり、一気に若々しい印象になります。

美容皮膚科もお金はかかりますが、少なくとも医学的に認められている効果があります。どうせ高いお金を払うのであれば、育毛剤やシワ取りクリームのような効果がはっきりしない(効く人もいますが)ものを買うのではなく、効果が認められている施術にお金を払ってほしいと思います。

和田 秀樹 精神科医

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わだ ひでき / Hideki Wada

1960年、大阪府生まれ。東京大学医学部卒業。精神科医。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェロー、浴風会病院精神科医師を経て、現在は和田秀樹こころと体のクリニック院長。高齢者専門の精神科医として、30年以上にわたって高齢者医療の現場に携わる。『70歳が老化の分かれ道』(詩想社新書)、『80歳の壁』(幻冬舎新書)、『60歳からはやりたい放題』(扶桑社新書)、『老いたら好きに生きる』(毎日新聞出版)など著書多数。

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