仕事がデキない人がつい口にする「反省の弁」3つ 「努力不足でした」と言うのは悪くないが…

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次の会話を読んでもらいたい。

「どうして目標を達成できなかったんだ?」
「努力不足でした」
「努力が足りないとわかってるんだな?」
「はい」
「今後はもっと努力するように」
「申し訳ありませんでした」

上司が部下と、こんな会話を続けていたら、未来永劫、部下は成長しないだろう。双方、具体的なことを何も語っていないからだ。

予備校の先生と生徒の会話にしてみる

この会話を、予備校の先生と生徒の会話で書き直してみよう。

「どうして模試の結果が悪かったんだ?」
「努力不足でした」
「努力が足りないとわかってるの?」
「はい」
「今後はもっと努力するように」
「そうします」

模試の結果が悪くて落ち込むのはわかる。しかし、どのような対策をしたら、期待通りの成果を出せたのか。客観的に分析して、不足していた努力する場所、努力の量などを先生に伝えるべきだ。そうしないと適切なアドバイスはもらえない。

もちろん、

「努力不足でした」

と言われたほうも、どんな努力が足りなかったのか、具体化するための質問をすべきであろう。とはいえ、まずは成果を出せなかった当事者が主体的に掘り下げてみることが先である。

第2位「不徳の致すところ」

つづいて、仕事がデキない人がつい口にする「反省の弁」――第2位は?

「不徳の致すところ」である。

上司に、「どうして上半期は、こんな結果になったんだ?」と聞かれて、

「不徳の致すところです」と答える人がいる。

どちらかというと、40代、50代の課長、部長が、経営陣に対して使うフレーズだ。

政治家など著名人が謝罪の言葉として使うため、大げさに反省しているように聞こえる。

テレビなどで聞きかじった言葉でその場しのぎの反省の弁を口にするのはやめよう。こういうことを繰り返していると、何を言っても信頼されなくなってしまう。

第1位「すべて私の責任です」

最後は第1位の発表だ。

仕事がデキない人がつい口にする「反省の弁」――第1位は?

「すべて私の責任です」

である。この「反省の弁」も、40代、50代のマネジャーが、経営陣に対して使うフレーズだ。重い責任があると感じているからこそ、期待された成果が出せなかった場合は、

「すべて私の責任です」

と口にする。わからないでもない。ただ、このように言われて、

「そこまで君が責任を感じることはない。私にも責任がある」

などと言う上司が、はたしているだろうか?

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