「生誕祭に客1人→卒業」アイドルの天国と地獄 いつもの"内輪ネタ"が「とんでもない事態」に…

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冒頭からオチを話すようで恐縮だが、結果的にこのツイートは「ネタ投稿」であり、ある意味、真実であり、決して間違えてはいないものだった。

けれども、それが本人の意図とは別にあっという間に広がってしまったのだ。

そう、ライブアイドルにありがちな「内輪ネタ」わかっているファンに喜んでもらえればいいという、いつもの「ネタ投稿」がとんでもない事態となったというのが実情だ。

細かく言えば「1人しか来なかった」という表現が、大勢来るであろう生誕祭で本当に1人しか呼べなかったアイドルという誤解を与えたということだろう。その意味では間違いでありミスリードである。

ただ、こういったことはしばしばWEBメディアでもミスリード的なタイトルが付けられ行われる。

実際、読んでみたらニュアンスが違っていた、ということは多々ある。ゆえに書き手である私自身も気をつけねばならない立場にいるのは理解している。

「まさか自分のツイートが」と本当に驚いた様子で語った(写真:うしおゆりなさん提供)

世間が抱く地下アイドルのイメージ

「もともとは主催でライブハウスを借りていたので、生誕祭卒業ワンマンの間に『ファン向けの特典として開催したライブ』なんです。それもたわいのない話で、ライブを見る権利を物販で一番チェキ撮った人ってことでやったんです」

うしおが行ったこの特典ライブ、何も特別なものではなく、たとえば「君だけライブ」といったネーミングで行われるなど、ライブアイドルの世界では多々見受けられるものだ。

VIPチケット購入者のためにやったり、本格的なライブでなくとも「ワンマンのリハーサルから入れます」など、さまざまな形で行われる。うしおのこの動画のライブも、そういった特典の一環だった。

「この動画のファンの方も私が撮っているのを知ってたので『これ投稿したら面白いよね~』って感じでやった、ほんと何気ないツイートだったんです」

動画はこうだ。代表曲『Re:start!!』を歌ううしおに合わせてファンが常に推し前に移動しながらペンライトを振っているというもの。

それにも増してこの動画が拡散されたのには我々が考えるライブアイドル、あえて地下アイドルと言わせてもらったほうがわかりやすいだろう、その地下アイドルのイメージをそのまま再現したかのような動画であったことだろう。

次ページ我々が抱く地下アイドルのイメージの体現
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