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時給8000円を稼ぐ「ビール売り子」の超仕事術 「球場の華」が緻密に組み立てる3つの戦略

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  • 原 佳弘 人材育成プロデューサー/組織発酵学
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トップ売り子さんとの違いは何か?

売り子さんを長年研究している「売り子さんファンクラブ」に取材を続けた。すると、この「時給8000円」を稼ぐ売り子さんにはいくつかの特徴があった。というより、売るための戦略が徹底しているのだ。

① 魚の目、木の目、鷹の目

彼女たちは、いくつもの目を持っている。近くにいる目の前のお客さん。先ほど買ってくれた少し離れた場所にいるお客さん。そしてこれからお代わりを頼みそうな遠くのお客さん。
お客様に対する目線、目の届き場所を適宜変えている。ビールを頼むお客さんを逃さずキャッチしている。

もちろん、そのためには、試合の展開を読んだり、買ってくれたお客さんを覚えていたり、ビールを飲むペースを把握していることが必要だ。

②自分の“しるし”=特徴を魅せろ

売り子さんがお客様を見つけていくことは大事だ。しかし、それ以上に必要なことは、お客様から声をかけて頂くこと。そのためには、「選ばれるしるし」が必要である。

トップの売り子さんは、実に様々な、個性的な“しるし”を用いている。例を挙げよう。

  • ・髪飾りに、花のモチーフや、キャラクターを付ける
  • ・名札に、手描きのPOPやイラストを加えて、特徴づける
  • ・首に巻くタオルを、球団カラーと合わせる、巻き方を目立たせる

と、実に様々な方法を各自でアレンジしている。

自分という売り子を覚えてもらい、また買ってもらうことを考えている。

③販売効率を高めるドミナント戦略

トップの売り子さんは、あちこち歩きまわって、広くお客様を集めているのか。いや違う。(そもそも、売り子さんによって販売エリアが区切られている。)トップ売り子さんは、あまり、広く歩きまわらない。これは、筆者もオドロキの事実だった。

実は、彼女たちも歩き回わらずに効率的に売りたい。それはそうだ。重いタンクをあちこち、昇り降りしていては体力が持たない。ビールやガスの補充にだって行かなくてはならない。

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【まるでコンビニだ!】

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