「頭がいい人」がこっそり実践、独学の3つのコツ 勉強を始める前に環境を整えるのが大事だ

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スマホがあると手に取らずにはいられない、夜も朝もスマホが気になって眠れない、勉強なんて集中できない……。そのような状態が続いていたら、スマホによって脳が何かしらの悪影響を受けている可能性があります。

この本によると実際に、スマホの影響による睡眠障害や依存症、記憶力、集中力、学力の低下などが明らかになっています。スマホがポケットに入っているだけでも学習効果が低下して勉強を阻害する、という研究結果もあります。

つまり、スマホが身の回りにあるということは、虫がブンブン周りを飛んでいるようなものです。

脳科学者の川島隆太先生も、『スマホが学力を破壊する』(集英社新書)という新書を出しています。この本は、7万人の子どもたちを対象にした、数年間に及ぶ大規模調査の結果にもとづき、スマホが脳に与える悪影響をまとめたものです。

スマホを見ている時間が長ければ長いほど、子どもたちの数学の平均点が低くなっているグラフなど、スマホの利用時間と学力の相関関係を示すデータも多いため、子育て中の親御さんが読むと衝撃を受けるかもしれません。

それほど、スマホは私たち人間の脳を侵食しているのです。だからといって、今となってはスマホがない生活も考えられません。少しでもスマホの弊害を減らすためには、日常生活で物理的にスマホを遠ざけるなどの工夫が必要なのです。

私自身も、仕事中の一定時間はスマホの電源を切って、カバンにしまい込んでいます。ただカバンに入れているだけだと、着信音やバイブレーションが鳴ったり、電話がかかってきたりして、集中できなくなるからです。

クイズ番組『東大王』に出演していた鈴木光さんも、著書『夢を叶えるための勉強法』(KADOKAWA)の中で、家で勉強するときはスマホの電源を切って、勉強場所から遠いところに置いていたと書いています。図書館や自習室などで勉強するときも、勉強道具以外のものは持っていかないようにしていたそうです。

そのように、気が散るものから距離を置くと、だいぶ心が安らかになります。学びの「構え」として心を安定させることは重要なのです。

仕事でも勉強でも、何でも効率性にばかり気をとられがちな人が多いのですが、だからといって学ぶ「構え」までないがしろにしてしまうと本末転倒になってしまいます。

コツ2:学びに向かう「呼吸法」と「環境作り」を意識する

学びの「構え」として身体を整えるために、今日からでもすぐに実践してほしいのは「呼吸法」です。

私は、現代人の呼吸が浅くなっていることに危機感を覚えて、『呼吸入門』(角川文庫)という本を出したことがあります。呼吸なんて意識していない人がほとんどだと思いますが、実は、身体の力は呼吸ひとつで大きく変わるのです。

私がすすめる呼吸法はまったく難しくありません。鼻から3秒吸って、2秒ためて、15秒で口から吐ききる。15秒が難しい人は10秒程度でもかまいません。たったこれだけですが、身体の力が劇的に高まるのです。

ポイントは、吸った息をゆるやかに吐くとき、吐く息とともに雑念が出ていき、落ち着くよう意識することです。

次ページ呼吸法を実践する前後で起きた変化
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