お金のプロが力説「FX、初心者は手出し厳禁」の根拠 不動産の実物に投資するのも気をつけるべき

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(1)少額から始めたい人はREITを活用する

不動産投資の1つ目「REITに投資する」とは、アメリカで生まれた不動産投資信託への投資のことです。REITは投資信託の一種で、投資家から集めた資金を使って不動産を購入し、その不動産を賃貸したときの収益や、売却によって得られた収益を投資家に分配します。

実際に不動産を持ったり、賃貸住宅の経営をしたりすることなく(家賃の集金や入居者のトラブルに対応することなく)、不動産に投資できます。また、数万円程度の比較的少額から始められることから、投資初心者が不動産投資をしたい場合には、REITは取り組みやすいといえるでしょう。

(2)初心者はとくに気をつけたい不動産そのものを買う方法

不動産投資の2つ目、「不動産そのもの(実物)を買う方法」とは、不動産(区分マンション/マンション内の一戸ずつの物件、戸建て住宅、一棟アパート、一棟マンションなど)を購入し、利益を得ることです。

不動産そのものを買って利益を得る方法は、次の2種類です。

●キャピタルゲイン(資産の売却で得る利益)

不動産を購入し、値上がりしてから売り、売却益を得る。

●インカムゲイン(保有していることで得る利益)

購入した不動産に人に住んでもらい、家賃収入を得る。

不動産投資をする場合にはよく理解してから

マネー本に書かれていた、実物の不動産への投資のメリットとリスクをまとめると、次のようになります。

(実物の)不動産投資のメリット
●多くの場合、銀行から融資を受けて物件を買う。つまり、他人の資本で投資ができる。
●入居者に住んでもらい、家賃を得るしくみができると、安定した収入が得られる。
●管理会社やリフォーム会社をうまく使えば、自分はあまり動かなくてもいい(会社員でもやりやすい)。
●インフレに強い。不動産は現物資産(=ものと同じ)であるため、物価が上昇すると、価格が上がりやすい。
●相続税対策になる。理由は、「土地や建物の価値は時価(実勢価格)よりも7~8割程度に安く評価される」ことと「不動産を人に賃貸すると相続税の評価額が低くなる」ため。
(実物の)不動産投資のリスク
●不動産の保有中は固定資産税や管理費などの経費がかかる。
●不動産が値下がりする可能性がある。
●家賃が下がる可能性がある。
●空室や家賃滞納のおそれがある。
●購入するには多額の資金が必要。
●修繕費や管理費などがかかる。
●現金が必要になったときにすぐに現金化できない(すぐに売れない。手続きも必要)。急いで売ろうとすると買いたたかれる。
●倒壊、火事、自然災害などのリスクがある。

「不動産投資」に否定的なマネー本の著者たちが、「投資初心者は不動産投資に手を出すべきではない」といっているのは、この実物を買うほうの不動産投資です。

「不動産投資」に肯定的なマネー本の著者たちも、「不動産投資をする場合はよく理解してから」と口を揃えます。両@リベ大学長さんも、著書『本当の自由を手に入れる お金の大学』(朝日新聞出版)で「動く金額も大きいからしっかりと勉強してから手を出すべき投資やな」と書いています。

実際にどんな物件に投資をしたらいいかは、「戸建て住宅」「アパート一棟」など意見が分かれていました。

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