世界の女性監督たちが紡ぐ「女性たちへのエール」 完成まで6年、日本から杏・呉美保監督も参加

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監督も『トワイライト~初恋~』のキャサリン・ハードウィック、『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』『ドリーム』などで知られる女優のタラジ・P・ヘンソンらが監督として参加。そして日本からは女優の杏と、『そこのみにて光輝く』の呉美保監督が参加している。

人間ドラマやアニメなど、その語り口はさまざまではあるが、その根底にはすべての女性にエールを送る、というテーマが貫かれている。

ジェニファー・ハドソン主演の『ペプシとキム』より。刑務所内で薬物中毒のリハビリを受けていたキムは、彼女の中に“ペプシ”という、もう一人の人格が宿っていることに気付く。 (『私たちの声』©2022 ILBE SpA. All Rights Reserved.))

本作は『ペプシとキム』(タラジ・P・ヘンソン監督、出演:ジェニファー・ハドソン)、『無限の思いやり』(キャサリン・ハードウィック監督、出演:マーシャ・ゲイ・ハーデン、カーラ・デルヴィーニュ)、『帰郷』(ルシア・プエンソ監督、出演:エヴァ・ロンゴリア)、『私の一週間』(呉美保監督、出演:杏)、『声なきサイン』(マリア・ソーレ・トニャッツィ監督、出演:マルゲリータ・ブイ)、『シェアライド』(リーナ・ヤーダヴ監督、出演:ジャクリーン・フェルナンデス)、『アリア』(ルチア・ブルゲローニ&シルヴィア・カロッビオ監督)の7編から構成されている。

完成するまで6年も費やした

本プロジェクトを手掛けたティレシが、ジェンダー平等を目的としたメディア・コンテンツや映画の製作を推進する非営利の映画製作会社「ウィー・ドゥ・イット・トゥギャザー」(WDIT)を設立したのは2015年のこと。

長らく男性中心だった映像業界の中で、厳しい立場にあった女性たちをサポートし、男女がともに働くことのできる環境づくりを目指し、活動をしている。

その活動の一環として本作は制作された。その思いをティレシは「複数の女性監督による映画の企画は、映画やメディアの物語を変える必要性から生まれました。最近の語り方は非常に客観化されており、現実社会の女性たちの姿を現してはいません。そこで私たちは異なる視点を与えたかったのです」と語っているが、本作が完成するまでには多くの困難があり、6年という歳月を要したという。

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