豪州の潜水艦調達、日本政府も参加を決定

「そうりゅう型」輸出に向けて一歩前進

 5月6日、オーストラリア次期潜水艦の選定手続きに、日本政府は5月中にも参加を決める方針を固めた。写真はアボット首相(左)と安倍晋三首相。ブリスベーンで昨年11月撮影(2015年 ロイター/Kevin Lamarque)

[東京 6日 ロイター] - オーストラリアが計画する次期潜水艦の選定手続きに、日本政府は5月中にも参加を決める方針を固めた。複数の関係筋が明らかにした。

必要な技術情報を豪側に提供することを決定し、日本案を提示できる態勢を整える。豪政府は今後10カ月程度かけ、ドイツ、フランス、日本の中から調達先を選ぶ。

豪政府は今年3月下旬、選定手続きへの参加を要請する書面を日独仏に送付した。複数の日豪関係筋によると、ドイツとフランスはすでに参加を決定。日本は安全保障法制議論への影響を考慮し、慎重に検討してきたが、今月6日に中谷元防衛相とアンドリューズ豪国防相が電話会談したことを受け、正式に調整を進めることにした。

企業が主体となって参加する独仏と異なり、日本は政府が豪側とやりとりする。提案に当たり、潜水艦メーカーが保有する技術情報を豪側に渡す必要があるため、日本は防衛装備品の輸出を決める国家安全保障会議(NSC)が5月中にも審査し、手続きに参加することを決定する。

参加国は支度金として700万豪ドルを受け取り、豪州が求める性能に沿った初期段階の設計概要を提案する。さらに建造場所、コスト、納期も提示する。豪州の産業が開発と建造に関与でき、指揮戦闘システムは米国製を搭載することが前提となる。

2030年前後に潜水艦の世代交代を検討している豪州は、ディーゼルエンジン型の潜水艦では最大規模の「そうりゅう型」を保有する日本に発注する方向で検討を進めてきた。

しかし、自国産業が関与できなくなると国内世論が反発。支持率低下に直面するアボット政権は「コンペティティブ・エバリュエーション・プロセス(競争的評価手続き)」という複数国から選ぶ手続きを実施する方針に転換した。

選定手続きは最短で10カ月程度かかる見通し。調達先が1カ国に絞られない可能性もある。

日本の防衛省はロイターの取材に対し「豪州からの要請を受け、わが国としての対応について関係省庁間で検討したい」としている。

また、複数の関係筋によると、アボット首相は7月にも訪日し、安倍晋三首相と会談する方向で調整している。

 

(久保信博、ティム・ケリー、マット・シーゲル 編集:田巻一彦)

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