「古民家購入→自分で改装」した外国人が見た現実 外国人が憧れる家は、日本人は買わない?

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初めて空き家に投資したのは、2014年にシェアハウスを退去することになり、「スーモ」で、東京の家のページを見始めたときでした。この時は興味本位で、まさか東京で家が買えるとは思っていませんでした。

しかし、職場の近くで手頃な価格の物件を見つけたので、不動産屋を訪れると、その家はすでに改装されており、すぐに入居できる状態でした。1960年代に建てられた古い木造住宅で、日本に住む外国人が想像するロマンチックな日本家屋そのものでした。そのことを不動産屋に話したら、「この家は外国人にとってロマンチックなだけで、日本人はこの家を買わないよ」と言われました。

初めてその家を訪れたとき、私はベビーシッターを頼まれていた友人の5歳の子供を連れて行きました。彼は不動産屋に「この家にネズミはいないの?」と尋ねました。なぜなら、彼の祖母が住んでいた家にはネズミがいて、彼はそれが嫌いだったから、と。とても重要な質問であることを、私は後になって知るのです。

日本で外国人が家を購入するのは難しくない

日本で外国人が家を買うのに必要な制限や許可はなく、住宅購入の手続きは容易です。家の値段に7%ほど上乗せする必要がありますが、これには不動産業者の手数料、税金、その他の費用が含まれています。

この時に私が利用した不動産業者はどこも協力的で、オーストリアの不動産屋よりも多くのことをしてくれました。銀行を紹介してくれたり、信じられないほど低い金利のローンを交渉してくれたり、住宅保険を売ってくれたり、すべての手続きを非常に迅速かつ確実に管理してくれました。

リノベはポーランド人の友人に手伝ってもらいました。ポーランドで5年間、修繕などの修業を積んでいた彼は本格的に家の改装を仕事にしようとしていたところで、私が最初のクライアントとなりました。オーストリアでは、ほとんどの人がポーランドのリノベ業者を雇うことを好みますが、それは彼らが最もよく訓練されているからです。その後、壁紙、床、ランプなど内装を一新しました。

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