帯状疱疹ワクチン「すぐ打つべき人」そうでない人 世田谷区、中央区、品川区、板橋区も補助対象に

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50歳以上の方に帯状疱疹は起きやすく、帯状疱疹を発症した人のうち、約2割の方では皮膚の病変が出た部位に神経痛が残る。なんだ神経痛くらい、と甘く考える方が多いが、経験者に話を聞くと、実に厄介だ。「とにかくズーンと痛くて、起きていても寝ていてもつらいし、夜も眠れない。普通の痛み止めでは効かず、神経の痛みに効く薬をもらったが、頭がボーッとして仕事にならない。ペインクリニックで神経ブロック注射を受けたが、数日しか効かないし、ある程度の回数以上は注射してもらえず、あとは我慢しなさい、と言われてつらかった」とのこと。そんな症状が数カ月も続くのだから、予防できるならぜひその手段をとりたいところだ。

がんと帯状疱疹の関係

がん患者さんは感染症に罹りやすく、重症化しやすいことが知られている。帯状疱疹も然り、だ。がんの他にも、免疫抑制剤で治療するような病気の人や、HIV感染者なども、帯状疱疹に罹りやすいことが知られている。

がんの場合は、がんによる免疫の低下に加え、さらに抗がん剤治療をすることでも追い打ちがかかるため、帯状疱疹が重症化しやすい。アメリカの研究では、血液がんでは4.8倍、その他のがんでは1.9倍帯状疱疹になりやすいことが報告されている。

さらに、治療途中で帯状疱疹を発症した場合、治療スケジュールにも大きな影響がでる。通常、抗がん剤を用いた化学療法は、1カ月サイクルで実施する。薬の副作用である白血球減少や、皮膚、口や胃腸の粘膜の傷害などが治まって回復するのに日数がかかるからだ。なるべく治療の間隔を空けないことが望ましいのだが、帯状疱疹を発病すると、それが治るまでの3週間ほどは、治療を延期することになる。手術前に発病した場合は、手術が延期されることにもなり、大きな影響がある。

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