「不倫のバチが当たった」婚活中30代女性の涙の訳 既婚者とわかって付き合う人の言い分と「後悔」

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「実はここ1年くらいは、いい出会いがないか、いい人が現れたら新しい恋愛を始めようかと思っていました。でも、歳を重ねるほど出会いなんてなくなる。あと、いったん人と縁を結んでしまうと、そこを断ち切るのってなかなかできない」

特に、不倫相手とは会社で顔を合わせているので、前の恋人のようにだんだんと連絡を取らなくなって縁を薄くし、自然消滅に持ち込むことも難しかった。

「ただ、35歳になるという節目と、友人の結婚式に出たというきっかけが、私の背中を押しました。付き合い始めて2年を過ぎた頃から、相手が離婚する気がないことは、なんとなくわかった。このままズルズルと関係を続けていたら、私は、結婚も出産もあきらめる人生になる。40代になったら、一生後悔するかもしれないと思ったんです」

そして、結婚相談所での婚活を始めようと、筆者の元に入会面談にやってきた。面談に来たときに、まだ上司との関係が続いているのかを聞くと、やよいは言った。

「関係が始まったばかりの頃は、毎週のように会っていたのですが、最近は、私の家に来るのも、月に1回程度になっていて。先月は、一度も来ていません。向こうも私の変化を感じているだろうし、お互いが、“そろそろ潮時”だと思っているのではないでしょうか」

そして、続けた。

「まだ動き出していないから、何とも言えないですけど、新しい男性にお会いしていくうちに、私の彼に対する気持ちもどんどん薄くなっていくと思うんです。お付き合いする男性が現れたら、上書きもできる。そうなったら、不倫の恋にはきっちり決別できる気がします」

過去の不倫を知った恋人の反応

そして入会し、果敢にお見合いを始め、6人目に出会ったのが、成婚を決めたたつおだった。真剣交際に入り、結婚まで駒を進めていたとき、やよいが泣きながら電話をかけてきたことがあった。

「たつおさんに、お断りをされるかもしれません」

何があったのか事情を聞いてみると、“お互いにこれまでどんな恋愛をしてきたのか”という話になったという。やよいは、夢を追っているお金のない年下の恋人と付き合っていたことをまずは話した。そして、その後に付き合った人には、「妻子がいた」と口を滑らせてしまった。

すると、それまでにこやかだったたつおの顔から笑みが消えた。

「えっ? それって、どういうこと? 不倫をしていたの?」

まずいと思ったが、もう遅かった。たつおは「もうそれ以上、聞きたくないな」と言い、2人の間に険悪な空気が漂った。そして、その日はそのまま別れた。

「不倫をしていたから、バチが当たったのかもしれません」

電話口で泣いているやよいに、筆者は言った。

「言ってしまったことは取り消せないので、不倫がきっちりと終わっていることを説明しましょう。そして、今は、“たつおさんを誰よりも大切に思っていること”と、“失いたくない”という気持ちを正直に伝えてみましょうね」

次ページ数日後にあったたつおからの返事は?
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