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「地域経済を引っ張る」東北大が描く卓越大戦略 申請大トップに聞く⑥「企業との連携進める」

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東北大学が国際卓越研究大学へかける思いとは。青木孝文副学長にその狙いを聞いた。

東北大学は仙台市内に4つのキャンパスをもつ。産学連携の1つの柱である次世代放射光施設「ナノテラス」は青葉山キャンパスに所在 (撮影:大澤 誠)

特集「国際卓越研究大学候補校の本気度」の他の記事を読む

研究力向上の起爆剤として設立された10兆円ファンド。その支援対象となる国際卓越研究大学に10校が名乗りを上げた。

国立大学は東京大学、京都大学、東北大学、名古屋大学、大阪大学、九州大学、筑波大学に、東京工業大学と東京医科歯科大学が統合して2024年度中に設立予定の「東京科学大学」の8校が、そして私立大学は早稲田大学と東京理科大学が申請した。

国際卓越研究大学に認定されるのは5校程度で秋頃までに認定される。10兆円ファンドを元本に年3000億円程度の運用益を捻出し、そこから1校あたり最大600億円もの支援金が最長25年と長期にわたって受け取れることになる。申請校は巨額の支援金をもとに、どのように研究力を向上させていくのか? 総長や学長などの大学トップ、担当役員がその胸の内を語る。今回は東北大学の青木孝文副学長に聞いた。

研究力を向上させる最後のチャンス

――国際卓越研究大学に申請した理由を教えてください。

日本の研究力が低迷する中、大学への期待は高まっていると感じる。一方で、大学や大学で行う基礎研究の重要性への理解が、日本では海外に比べて足りていないようにも思う。それは大学が社会に存在感を示せていないためだろう。

国際卓越研究大学制度は日本の研究力を向上させる最後のチャンスだ。このチャンスに、世界トップレベルの研究大学となり、国際社会に貢献したいという思いから申請に至った。

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