「すぐ辞めてしまう」新卒社員が抱える2つの背景 活躍する人に共通するキャリア設計術とは

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もう1つは、「上司やクライアントとの関係がつらくなった」というケースです。志望する企業へ入社したものの、仕事で思うように成果があがらない。その結果、上司や顧客から叱られることが増えて、職場へ行くのがつらくなったという話は珍しくありません。

前述の内閣府の調査結果でも、「人間関係がよくなかったため」と答えた割合が23.7%で、2番目に高い離職理由となっています。

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このような現象が起こってしまう原因の1つには、学生時代に「社会に出る準備が十分にできていないこと」が挙げられます。大学卒業までに学んできたことと、社会で求められるスキルや知識とのギャップの大きさに悩む若手社会人は多いでしょう。特に最近の学生は、大学で真面目に勉強をしている人が多く、その悩みはより深いものとなります。

もちろん、採用企業も新卒社員に対して、過度に高い成果を求めているわけではありません。まずは、簡単な資料作成や議事録取りなどの基礎的なビジネススキルや、教えられた業務を実践し、報連相するといった他者と協働するスタンスを身につけていれば、周囲から認められることが大半でしょう。

しかし、そのような基本ができていないと、教える上司や先輩社員にもストレスが溜まります。報告や相談がないと十分なサポートができません。顧客からのクレームや大きなトラブルにつながることもあります。

このような他者と協働する力は、学生時代までに主に培ってきた、授業を聞いて勉強し、1人でアウトプットする力とは異なります。会社に入ったあとでスムーズに立ち上がるためには、学校での勉強とは別に、社会に出るための準備をしておく必要があるのです。

学生時代にしておくべきことは

それでは、「自分の志向と合う企業を見つけられていない」、「社会に出る準備ができていない」という2つの問題を解消するためには、学生時代にどのようなことをしておくとよいのでしょうか。

自分の志向と合う仕事を見つけるためには、まずは自分がどのようなことを好きなのかを知る必要があります。同様に、自分の嫌いなことを知っておくことも大切です。

嫌いなことやとても苦手なことを、数十年も続く職業にするのは苦痛ですし、短期離職の要因にもなります。しかし、自分の「好き・嫌い」を知ることは、容易ではありません。実際、好きなことや避けるべきことを認識できている人は、社会人でも多くはないでしょう。

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