大抵のことがうまくいってしまう「考え方」の秘訣 「自分を掘り下げる事」が良好な人間関係を創る

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キラキラと楽しそうに見えるのは、そういうイメージを演出しているからにほかなりません。現実かどうかわからないことにとらわれて、思い悩む必要はないのです。

SNSの投稿がうらやましくて落ち込んでしまうときは、このことをまず思い出すようにするといいですね。

自分の本当の感情に耳を傾けて

また、キラキラした投稿に対して、「いいなあ」「うらやましいなあ」と思うときは、「自分はなにに対してこんなに嫉妬したり、うらやましいと感じているんだろう」と、自分の気持ちを掘り下げてみてください。

「うらやましい」という気持ちの奥には、もっと違う感情があるはずです。このケースでは、自分が誘ってもらえなかった「悲しみ」こそが、本当の心の感情です。

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自分にきちんと向き合い、「誘ってもらえなくて悲しいんだな」と自分の本心をきちんと知ることはとても大切なことです。自分の悲しみを自覚することは、痛みを感じるつらい作業でもありますが、その気持ちにふたをしてしまうと、自分の本当の感情にどんどん気づけなくなってしまうのです。

自分がつらい、悲しいと感じていることをあえて無視するクセがついてしまい、心が疲れてしまっていることすらわからなくなってしまう。その結果、ある日突然心が折れて、心の病気になってしまうケースはとても多いのです。

そんな心の危機を防ぐためにも、「うらやましい」「ねたましい」などのネガティブな心の声も正直に話せる存在や居場所を創れるといいですね。

心の声を吐き出すことで、上手に気持ちのバランスをとれるようになります。

このように、「自分の声を聞く」ことは、よりよい人生を送るための必須のスキルであり、ひいては他者を理解することにもつながります。ぜひ、よりよい人間関係を創るうえでのヒントとして役立てていただければ幸いです。

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大野 萌子 日本メンタルアップ支援機構 代表理事

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おおの もえこ / Moeko Ohno

法政大学卒。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ資格認定機関)代表理事、産業カウンセラー、2級キャリアコンサルティング技能士。企業内健康管理室カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメントなどの分野を得意とする。現在は防衛省、文部科学省などの官公庁をはじめ、大手企業、大学、医療機関などで年間120件以上の講演・研修を行い、机上の空論ではない「生きたメンタルヘルス対策」を提供している。著書に『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑』(サンマーク出版)がある。

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