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公的資金から20年、りそなHD社長が語る現在地 南昌宏社長「リテールNo1戦略にゴールはない」

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2003年の公的資金注入から20年が経過し、復活を遂げたりそなホールディングス。 今後の成長戦略をどう描くのか。

りそなの南社長
南昌宏社長はりそなの最大の特徴であるリテール戦略の行く末を語った(撮影:尾形文繁)
2002年に発足したりそなホールディングス。だが、実質的な歴史は2003年5月17日から始まった。不良債権処理にあえぐ同社に対して、2兆円規模の公的資金注入が決まった「りそなショック」の日だ。
その後りそなは、営業時間の拡大や事務プロセスの効率化といった業務改革を推進。個人や中堅中小企業向けのリテール業務に注力した。収益力は徐々に回復し、2015年6月、ピーク時には3兆円以上あった公的資金を完済した。
公的資金の注入から20年――。りそなはどう復活し、どう成長していくのか。当時企画部門に在籍していた、りそなホールディングスの南昌宏社長に聞いた。


――「りそなショック」から20年が経ちました。

いろいろな思いがあるが、一番は感謝の気持ちだ。この20年で、りそなは「再生」から「リテールナンバーワン」へと転換してきた。

細谷(英二、元りそなホールディングス会長)さんは「りそなの常識は世間の非常識」とおっしゃった。

当時のビジネスは、銀行都合とまでは言わないが、今とは軸足が異なっていたと思う。そのため、金融サービス業として、りそなのビジネスをお客様目線で見直してきた。

重かった車輪が回り始めた

細谷元社長の写真
りそなの再生を担った細谷英二元会長。公的資金完済に先立つ2012年に逝去した(撮影:梅谷秀司)

(人員削減によって)4000人以上の仲間を失った。(公的資金注入翌年の)2004年3月期には1兆6000億円を超える赤字も計上した。一方で、再生を信じて残った人と一緒に、困難を乗り越えていこうという機運は社内に満ちあふれていた。

変化の兆しが出てきたのは、リストラから営業力強化に舵を切った2005年からだ。お客様起点のサービスを開発する中で、「このまま頑張っていけば新しい世界が見えるんじゃないか」と思えるようになってきた。重い車輪を動かすことは最初こそとてもハードだが、途中からは(車輪が回って)良い流れになってきた。

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