相川七瀬「デビュー曲爆売れ」葛藤を経て得た学び 子育てとキャリアの両立、どう乗り越えたか

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―― そこから母親業と歌手業がすり合っていったのですね。

そうですね。もう1つ重要な気づきは、プライベートの状態が仕事の質に影響するということでした。

10~20代のころは自分のことだけをやっていればよかったのですが、30代以降は子どもだけでなく自分の親の問題なども出てくる中で、心がカサカサしていると、歌にそれが出てしまう。

家の中が平穏じゃないとパフォーマンスに響くということを経験して、家族といる時間を大事にすることが結果的に自分の歌に返ってくると実感しました。

長くやっているからこそ見えることも

―― 自分の役割が増え、変わっていく中で、何年もかけてバランスを整えていった。

長くやっているからこそ見えてくる、できることもありますよね。

―― ベイスターズももともとはお子さんがきっかけでファンになったとか。家族との過ごし方が歌のパフォーマンスに影響するだけでなく、仕事の幅も広げているようです。

最初は息子の友達を引率する形で2017年ごろから横浜スタジアムに応援に来るようになりました。ファンとしてはまだ新参者ですし、当時はこんなふうに仕事で球場に行くなんて思っていませんでした。

ベイスターズの試合を見ながら、子どもたちと「学校でこんなことがあった」「最近この音楽を聴いている」といった話をして、コミュニケーションをとっています。スタジアムは家族との時間をつくる大事な場でもあるので、どれだけ忙しくても試合を見に行きます。

この記事の後編は5月14日(日)公開予定です。
浦上 早苗 経済ジャーナリスト

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うらがみ さなえ / Sanae Uragami

早稲田大学政治経済学部卒。西日本新聞社を経て、中国・大連に国費博士留学および少数民族向けの大学で講師。2016年夏以降東京で、執筆、翻訳、教育など。中国メディアとの関わりが多いので、複数媒体で経済ニュースを翻訳、執筆。法政大学MBA兼任講師(コミュニケーション・マネジメント)。新書に『新型コロナVS中国14億人』(小学館新書)。
Twitter: @sanadi37

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