今年の新入社員、特徴は「AIチャットボット」? 「直接対話」に緊張感を持ってしまう人たち

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いずれも実体験の欠如が原因ですので、受け入れる側としては、絶対的な経験不足があるということを認識し「これくらいわかるだろう」ではなく、初歩からわかりやすく説明したり、指示することが必要となります。
業務内容や仕事の進捗だけでなく、日常的な雑談もできるといいですね。
興味のあることや好きなことがわかれば、話題も見つけやすくなります。

状況に応じて臨機応変なコミュニケーションを

リモート併用の企業も増えていると思いますが、お互いにツールに慣れてきたとはいえ、これから関係構築をしていく新入社員や異動してきた人に対しては、パソコンの画面を通じてだと親近感もわきづらく、次第に孤立・孤独を強く感じ、モチベーションが下がってしまうことも懸念されます。信頼関係の構築されていない時期に、問題が生じるとリカバリーが難しく、最悪そのまま休職や退職に結び付くこともあります。

マスクの着用も個人の判断に任せられるようになり、徐々に環境も変化していく中、彼らもまた柔軟に対応していくことと思いますが、受け入れる側は、一気に距離を詰めようとせずに、スモールステップで、関わっていただければと思います。

産労総合研究所によると、「AIチャットボットが適切なデータを取得することで進化していくように、彼らは適切なアドバイスを受けることで、想定を超える成果を発揮する可能性に満ちている」ということなので、是非、大いに積極的な関わりを持っていただければと願うばかりです。

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大野 萌子 日本メンタルアップ支援機構 代表理事

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おおの もえこ / Moeko Ohno

法政大学卒。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ資格認定機関)代表理事、産業カウンセラー、2級キャリアコンサルティング技能士。企業内健康管理室カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメントなどの分野を得意とする。現在は防衛省、文部科学省などの官公庁をはじめ、大手企業、大学、医療機関などで年間120件以上の講演・研修を行い、机上の空論ではない「生きたメンタルヘルス対策」を提供している。著書に『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑』(サンマーク出版)がある。

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