東武新型特急「スペーシアX」、4編成で攻めの戦略 「一点もの」豪華列車が多い中、毎日数往復運行

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車両外観の丸みを帯びた先頭形状は、100系スペーシアのフォルムを現代風に進化させたものだという。特徴的な窓枠は、鹿沼に伝わる組子や、竹編み細工といった工芸品をイメージしたものだが、愛称の「X」も連想させる。

スペーシアXの側面窓
特徴的な先頭車両の窓(撮影:尾形文繁)

内装は車両ごとに趣を変え、乗客を飽きさせないようにした。1号車は”コックピットラウンジ”。東武グループの傘下で、日光を代表するリゾートホテル「金谷ホテル」をモチーフに、気品高く落ち着きある空間だ。オリジナルのコーヒーやビールを提供するカフェも併設される。2号車はバックシェル式リクライニングを採用した豪華な”プレミアムシート”が売り物だ。

スペーシアX コックピットラウンジ
ソファーが並ぶ1号車「コックピットラウンジ」の車内(撮影:尾形文繁)

目玉は「コックピットスイート」

3〜5号車は”スタンダートシート”で、5号車の一部にはパーティションで周囲を遮ることでテレワークなどにも使える”ボックスシート”も設けられる。

6号車はスペーシアで人気の個室をアップグレードした”コンパートメント”4室のほか、スペーシアXの目玉ともいえる空間でプライベートジェットをイメージした“コックピットスイート”がある。

このように車両ごとに特徴を持たせたことで、「6両編成の各号車に特徴を出したので、今回は3号車に乗ったが次回は2号車に乗りたいと感じていただけるかもしれない」と東武の担当者が話す。リピーターの獲得にもつながるわけだ。

一方で、そのハイグレードな特徴ゆえに、100系が行なっている有料着席通勤のような普段使いのニーズには適さないかもしれない。東武はN100の追加製造の可能性を否定しないものの、「100系をすべて置き換えるわけではない」とししており、100系との間では明確な役割分担がある。

スペーシアX コックピットスイート
プライベートジェットをイメージしたという6号車「コックピットスイート」の室内(撮影:尾形文繁)
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