日本人が知らない「世界を変えるアイデア」5基準 規模拡大可能と予想できるアイデアの特徴とは

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オフィスで議論をする男女
小さなアイデアを大きなものに変えていくためのポイントとは(写真:tabiphoto/PIXTA)
ホワイトハウス、ドミニカ共和国政府といった公的部門の課題解決に関わり、ウーバー、リフト、ヴァージン・アトランティック航空などの企業にも参加して経済学の実装に貢献してきたシカゴ大学教授のジョン・A・リスト氏。
彼の最新刊『そのビジネス、経済学でスケールできます。』が翻訳出版された。彼が見つけたアイデアを規模拡大(スケール)するための5つのチェックポイントを、同書から抜粋・編集してお届けする。

小さく始めて規模を拡大するには

「スケール」という言葉は、一般的になったが不正確で、定義が曖昧なまま意欲を表す言葉として多用されている。必要なのは、普遍的なベンチマークと、明確に定義した方法だ。

・スモールビジネスが軌道に乗り、拠点を増やす態勢が整うのはいつなのか。

そのビジネス、経済学でスケールできます。
『そのビジネス、経済学でスケールできます。』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

・テック系のスタートアップは、製品や市場が適切かどうかをどうやって確認するのか。

・試験的な公衆衛生プロジェクトで、全国に導入してうまくいくと判断できる目安とはどのようなものなのか。

・草の根の改革運動は、いかにして全国的な運動に発展するのか。

・ある組織の文化がうまくいっていないのは、なぜなのか。

・そして何より、全力で夢の実現に向かう人には最も基本的なことだが、自分のアイデアをどうやって広めていけばいいのか。

わたしの研究はすべて、広い意味でスケーリングに関するものだ。ビジネスの世界と政策の世界と、それらの中間の世界。どの領域でも、小さく始めて規模を拡大するのは、最大の難題だが最大のチャンスでもある。

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