これがあれば完璧「聞きにくい事を聞く」フレーズ 雑談で大事なのは、相手に「興味を持つこと」

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一流の人がしている雑談の内容、気になりませんか?(写真:YUJI/PIXTA)
一般的に日本では、取引先との商談などを始める際に、本題に入る前のイントロとして雑談を交わします。天気の話など、そのほとんどが「とりとめのない会話」です。
しかし、世界のビジネスシーンで、一流のビジネスマンが本題前に交わしているのは、お互いの行動や意識を変化させるような創造的なコミュニケーションだといわれます。
世界の一流は雑談で何を話しているのか? そこから私たちが学べることは? 元Googleの人材開発責任者で経営コンサルタントのピョートル・フェリクス・グジバチ氏が、新刊『世界の一流は「雑談」で何を話しているのか』をもとに3回にわたり解説します。

異業種の人と雑談するときのコツ

ビジネスで自分の知らない分野の人と雑談をするときには、「どんな話をすればいいのか?」と悩むことがあります。いくら事前の準備をしても、付け焼き刃の知識を披露したくらいでは、相手に底の浅さを見抜かれてしまいますから、ラポールを作って信頼関係を高めることは至難の業です。

そんな場合は、相手の業界についての「サイクル→トレンド→パターン」を質問してみるのも有効です。私も興味のある業界や、未知の業界の人と話をする際には、まず最初に相手に聞くことにしています。

その具体例として、ファッション業界のケースを紹介します。

ファッションの世界は、常に最新のトレンドを生み出していますが、同じようなファッションが何年ごとに繰り返し流行する傾向があります。これがファッション業界の「サイクル」であり、そのサイクルの流れの中で、最も新しいものが「トレンド」です。

「パターン」とは、その業界の顕著なビジネスモデルのことで、ファッション業界であれば、低価格の商品を自社で製造・販売して「製造小売業」というビジネスモデルを確立したユニクロなどが典型的な例となります。

相手が自分の業界に精通していれば、「サイクル→トレンド→パターン」について的確な説明をしてくれますから、それに合わせて雑談を膨らませることができます。

「最近は、どんな会社が最先端を走っているのですか?」

この質問によって、業界のトレンドに一歩踏み込むことができます。

「1年を通して、最も忙しくなるのはいつですか?」

それを聞くことで、業界のサイクルを理解することができます。

事前に可能な限り「サイクル→トレンド→パターン」を調べておけば、付け焼き刃ではない深い雑談ができるのです。

次ページ質問力は短時間で身につく
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