紙の本を読まないと、人は確実にバカになる 鈴木幸一×松本大「ネットの未来」を語る

拡大
縮小
「鈴木さんはビジョナリー。私はプラグマティストです」(松本氏)

松本:鈴木さんは技術のわかる人であり、理想の人、ビジョナリーです。しかし、僕はプラグマティックに、「既定の条件の中でどうすればいいのか」と必ず考えてしまう。もちろん、金融をもっと理想的なものに変えたいとは思っています。でも、あくまで、その範囲の中の話なんですよね。鈴木さんは、そうではなく、もっと 根底から考えていますね。

鈴木:根底から考えたって、ビジネスにならないんだけどさ。

ひとつ提言ということでいえば、止めることの重要性を言っておきましょうか。銀行のATMが止まったということで大騒ぎする国は、一番インターネットに向かない。なぜならば止めるのが一番いいんですよ、システムは。もちろん本当に止まるとなると、大きな問題になりますけど、トラブルが起きたとき、止めない努力をするんですよね、規制当局などは。僕はそうではないと思う。不審な動きがあったときには、それが拡がる前に瞬時に止めるのが、将来の姿だと思っている。

松本:含蓄がある言葉です。

止められないと大きな問題が起こる

鈴木:なぜか日本は止まることに対してものすごく厳しい。しかし、情報はループするものだから止めない限りどんどん広がる。雪だるま式に大きくなっていく。即座に止める仕組みを作らないと、近い将来、大きな問題が起きかねないと思っている。

──止めたときの影響が大きいから止めないっていうのは間違いだと。

鈴木:影響が大きいと錯覚しているんじゃないかな。そんなのは別に、大したことではないですよ。

──新幹線を止めたら影響は大きいけれども、止めますね。

鈴木:止まることを前提にすれば、何も1つのサービスだけに依存せず、いろんなところを使えばいい、となります。

次ページ本を読まなくなったら人間はどうなるか
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【逆転合格の作法】「日本一生徒の多い社会科講師」が語る、東大受験突破の根底条件
【逆転合格の作法】「日本一生徒の多い社会科講師」が語る、東大受験突破の根底条件
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT