WBC優勝、鍵を握る「佐々木朗希」「山本由伸」の真実 「体格」から「投球割合」まで、2人はここまで違う

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アメリカの場合は変化球にもストレートに近いような強さ、重さがありますね。そこが日本とまったく違うと感じています」

2021年オフにそう話したのが、前年にDeNAからレイズへ移籍し、今季はレンジャーズ傘下からメジャー昇格を目指す筒香嘉智だ。

「変化球は(ストレートより)回転数が多いので、日本のときはよく飛ぶという感覚がありましたけど、アメリカはストレートのように強いので、軽く打って飛ぶという感覚は持てません日本とは全然違うボールですね」

筒香は「日米の違い」をそう説明したが、山本のフォークやカーブ、カットボールも強いから、日本のバッターは手を焼いているわけだ。

彼が「規格外」の投手であるのは、そもそも発想の違いによる部分も大きい

日本球界の「常識を変える」アプローチで結果を残せるか

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「令和の怪物」こと佐々木が恵まれた才能を存分に活かしているのに対し、山本は日本球界の「常識を変える」ようなアプローチで結果を残している。

独自の道を歩んで日本の頂点まで駆け上がった2人は、一流メジャーリーガーを相手にどんなピッチングを見せるのか。

世界一を決めるWBCの戦いは、準決勝からいっきに相手のレベルが高くなる

本当に面白くなるのは、これからだ。

中島 大輔 スポーツライター

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なかじま だいすけ / Daisuke Nakajima

1979年埼玉県生まれ。上智大学在学中からスポーツライター、編集者として活動。2005年夏、セルティックに移籍した中村俊輔を追い掛けてスコットランドに渡り、4年間密着取材。帰国後は主に野球を取材。新著に野球界の根深い構造問題を描いた「野球消滅」。「中南米野球はなぜ強いのか」(亜紀書房)で第28回ミズノスポーツライター賞の優秀賞。NewsPicksのスポーツ記事を担当。文春野球で西武の監督代行を務める。

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