寿司テロで浮き彫りになった迷惑客の「世代交代」 炎上事件の教訓はなぜ若者に受け継がれないか

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炎上に至るメカニズムは若干異なるものの、迷惑行為のパターンは「第1世代」と似ている。10年の時がたてば、小学生も高校生に成長する。ネットユーザーからは、「過去のバカッター騒動を知らない10代も多いのでは」「歴史は繰り返す」といった指摘が続出している。

では実際に、世代間ギャップがあるのだろうか。ひとつの指標として、「10代のツイッター使用率」を見てみよう。総務省情報通信政策研究所が、東京女子大学・橋元良明教授(現代教養学部)らと毎年行っている「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」の報告書によると、2021年度調査のツイッター利用率は全年齢で46.2%。10代利用率は67.4%で、20代(78.6%)ほどではないが、30代(57.9%)や40代(44.8%)以上に比べて高い。

実はこの結果、筆者には意外だった。日頃からツイッターに触れていれば、仮に10年前の炎上事例を知らなくても、なんとなく「こんな投稿がツイッターで燃える傾向にある」といった肌感覚があるだろう、と思っていたからだ。

しかし、ツイッターとインスタ、TikTok、それぞれの10代利用率の推移を見ると、少し印象が変わってくる。

「異なるプラットフォームへ転載される可能性」

ツイッターの10代利用率は、調査が始まった2012年度(26.6%)から、2013年度(39.6%)、2014年度(49.3%)と右肩上がりだったが、2015年度(63.3%)以降は、ずっと6割台を維持している。

その一方で、インスタの伸びは著しい。調査対象となった2015年度(24.5%)から右肩上がりで、2021年度は10代が72.3%、全年齢でも48.5%となり、いずれもツイッターを上回る利用率となっている。

TikTokもまた、調査対象となった2018年度から、39.0%→47.9%→57.7%→62.4%と、10代の利用率が上昇。このままツイッターの横ばいが続くのであれば、本年度調査あたりで、追い抜くのではないかと思える勢いだ。

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