寿司テロで浮き彫りになった迷惑客の「世代交代」 炎上事件の教訓はなぜ若者に受け継がれないか

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回転寿司だけではない。福岡県北九州市を中心に展開する「資さんうどん」では、卓上の天かすを共用のスプーンで、そのまま食べる様子が撮影された。類似ケースとして、テーブル備え付けの福神漬けを直接食べる「カレーハウスCoCo壱番屋」での映像も拡散されている(なおJ-CASTニュースの2月2日記事によると、壱番屋の事案は約3年前に発覚して、すでに解決しているという)。

一連の悪質行為に対し、チェーン各社は厳然たる対応をしている。各社報道によると、「はま寿司」を展開するゼンショーホールディングスは、わさびをのせる動画について、店舗の所轄警察署へ被害届を出し、捜査に全面協力する姿勢を見せた。

「スシロー」を運営する、あきんどスシローは2月1日、迷惑行為が撮影された店舗を公表し、全ての湯飲みの洗浄と、しょうゆボトルの入れ替えを行ったと発表した。すでに被害届を警察に出し、迷惑行為を行った当事者と保護者から謝罪を受けたが、「当社としましては、引き続き刑事、民事の両面から厳正に対処してまいります」と説明した。

スシロー全店では防止策として、テーブル備え付けの食器・調味料に不安を感じた場合、保管してある消毒済みのものと交換する対応を行う。また対象店舗と近隣店舗では、食器や調味料置き場を店内に設置し、客みずからテーブルまで持っていくようになったという。

「資さんうどん」の運営会社・資さんも2月2日、事象が起きた店舗で、無料提供食材を入れ替え、容器の洗浄・消毒を行い、被害届が受理されたと発表した。無料提供食材は、引き続き客席に設置するが、不安を感じる客には対応策として、個包装や皿への小分けで別途提供する。

過去の騒動を知らない10代も多い?

「バカッター」というフレーズが定着したのは、ちょうど10年前の2013年だった。コンビニの冷蔵庫に、客がみずからの身体を入れようとする様子が拡散されて炎上。従業員による「バイトテロ」とあわせて、大きな社会問題になった。これらは画像ベースで、ツイッターやFacebookなどに投稿されたものが中心だった。

このところの事案は、インスタグラムやTikTokに掲載された動画が、「炎上系」インフルエンサーらの第三者によってツイッターへ転載され、さらなる注目を集める構図だ。なかには以前に投稿されていたものの、ツイッター上で炎上して初めて、企業側が動画の存在を把握したケースもある。

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