「かぐや姫」は、お家騒動を逆手に取れ! 大塚家具・久美子社長へ薦めたいPR必勝法

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戦略その③ 「家具芸人、インテリア大好き芸人を巻き込め」

テレビ朝日の深夜番組「アメトーーク」で家具、あるいはインテリア芸人と一緒に登場するという手もある。あの番組ではビックカメラが常連だが、ぜひとも久美子社長の力で、大塚家具も常連になってほしい。

インテリアが好きという芸能人は沢山いる。実際にインテリア雑誌の記事をみると、結構な数のインテリア好きタレントがいる。ここは本当に狙い目なのだ。友だちになって、芸能人が友人の芸能人を大塚家具に連れてきてくれるかもしれない。今は、ふらりと大塚家具に行くこともないが、もしかするとデートスポットになるかもしれない。芸能人のインテリア好きコミュニティを形成して見方につけるのが何よりも大切だ。

戦略その④ 「自ら店頭に立て!」

司会者が変わったばかりのテレビ東京「アド街ック天国」や、フジテレビの「ウチくる!?」、テレビ朝日の人気番組「若大将のゆうゆう散歩」などで大塚家具を訪れてもらえるようにアピールを。店頭にいたらそれはそれで面白い。

店内を案内して、おすすめの家具をアピールしてほしい。場合によっては、出演者の中山秀征さんや加山雄三さんがその場で買ってくれるかもしれない。スーツ姿ではなく、カジュアルな大塚久美子社長の姿に多くの視聴者が共感を生むことだろう。「もっと合理主義かと思ったら、家具を愛する人だったんだ」的な。

大塚久美子社長は『きものSalon 2012年春夏号』(世界文化社)に取り上げられるなど、もともとタレント性がある

今、大塚家具に必要なのは、家具を紹介するメディアである。経済ニュースばかり取り上げられると、その会社はどんどんダメになる。一時期、日本マクドナルドホールディングスは、ハンバーガーのおいしさよりも、原田泳幸氏(前会長=現ベネッセホールディングス会長兼社長)の経営手腕ばかりが取り上げられた時期がある。そうなると、やはり、本当の味がよくわからなくなってしまう。

消費者にとって社長は誰でもいい。それよりも、どんな家具があるかが知りたいのだ。せっかく「かぐや姫」のあだ名がつけられ、メディアへの露出が増えたのだから、これを逆手に取ればいい。多少のリスクはあるものの、タレント化は本当に有効な手段だと思う。

残念ながら筆者はご本人にお会いしたことがないが、会えればぜひとも進言したい。おそらく数億円の広告効果はすぐに出る。これはほかのどの社長にもできない戦略なのだ。

野呂 エイシロウ 放送作家 戦略的PRコンサルタント

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のろ えいしろう / Noro Eishiro

1967年愛知県生まれ。中学生の頃からラジオに親しみ、「人が読みたくなる投稿」を追究した結果、「オールナイトニッポン」などで連日投稿が読まれるように。大学時代には学生マーケターとして、学生向け家電の企画立案・宣伝・PRに携わる。愛知工業大学卒業後、『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』で放送作家デビュー。『ザ!鉄腕!DASH!!』『特命リサーチ200X』『奇跡体験!アンビリバボー』などの構成を担当。30歳で、戦略的PRコンサルタントの活動をスタート。テレビ番組作りのノウハウを生かし、数々の企業の商品・サービスを次々とヒットに導く。250社以上のコンサルティングを担当。

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