なぜロシアでは、日本食ブームなのか モスクワでは「あの外食チェーン」に長蛇の列

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一方、ロシアから日本への輸出ではルーブル安がプラスに働く。ロシアの企業からすれば、国内でルーブルで原料を調達して生産する輸出品は、大半の決済が外貨のドルだから輸出企業は大儲けだ。もし競合相手があっても値下げで対抗できるわけだから、当然ながら輸出ドライブがかかる。

だが、私が言いたいのはロシアの輸出競争力の話ではなく、ルーブル安なのだから今こそロシアの資源を買ったりロシア株を買ったりするチャンスだということだ。「ルーブルで買えるなら」だが、すべては半年前の半分の価格で手に入る。ロシアの鉱山や金属工場などからすれば、輸出する時はドルで入金されるのだから困らない。

鉱物資源だけではない。ケミカル原料、農産物、水産物、肥料、飼料とロシアからの輸入品はいくらでもある。木材・製材もシベリアの「大資源庫」から出てくると思えば、この際、発想を変えてロシアのほとんどの資源を輸入するくらいのことを考えるべきだ。

一方、ロシア世論では、制裁の対抗手段として「欧米からの農産物・食料品の輸入禁止」については72%が「正当だ」との意見がアンケート結果で出ていることを報告したが、いまロシアは農産物・食料品をどこから輸入しているのだろうか?

通関統計によると、もともと農産物は欧州や米国からの輸入が約45%で、その他は中央アジア諸国他CIS、中南米、アフリカ等からだ。欧米輸入が制限となると、主な輸入先はウズベキスタンなどの中央アジアやトルコや南アに代替品を求める。EUからの対ロ輸出総額1190億ドルのうち食料品は12.6%の151億ドル、また米国からは149億ドルのうち11%の16.8億ドルだ。それに対し、日本の対ロ輸出額は135億ドルで、そのうち食料品はわずか0.2%の26百万ドルしかない。欧米の輸出がなくなったわけだから、日本の農産品が入り込むチャンスが到来しているのである。

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