仕事中「なぜか余裕な人」が頭の中でやらないこと マルチタスクをあきらめると能率が上がる理由

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いつも余裕な人って、いますよね。ゆったりと構えていて、落ち着いているのに、集中力もある。自分のやるべきことをキッチリやっているのに、仲間のサポートにも余念がない。いつもリラックスしているので、誰とでもオープンなコミュニケーションがとれる……。そういう「余裕な人」の頭の中は、どうなっていると思いますか。

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まず、頭の中がスッキリ片付いています。今やるべきひとつの仕事だけが、頭の中に入っている。資料作成をしているなら、資料作成のことだけを考えていて、頭の中に余計なことが入っていません。

当たり前だと思うかもしれませんが、そうでもないと思います。油断していると、ほかのやるべきこと、気がかりなことが、どうしても頭の中をよぎってしまう。

「あれはどうしようかな?」「これはどうだったっけかな?」「本当に今これをやってていいのかな?」などの雑念や迷いが生じて、頭の中でぐるぐると、目の前の仕事に関係のない思考が回ってしまう……。責任感の強い人ほど、集中力を欠いてしまう可能性があるのは、このためです。

「余裕のない人」の頭の中

考えていることと、やっている仕事が一致しなければ、集中力とパフォーマンスは低下します。そうして「余裕のない人」になってしまうのです。

 

今この瞬間に、この体ができることは、残念ながらひとつしかありません。今この瞬間だけにかぎって言えば、マルチタスクは不可能です。そこは、どうぞあきらめてください。

そのうえで、今、目の前にある仕事だけ頭の中に入れるようにしましょう。そうすると、思考と行動が一致するので、心身に余裕が生まれ、集中力も上がります。

やるのは当然、ひとつずつです。ほかにやるべきことがあるなら、やる順番を決めて、その順番通りにやると、集中しやすくなるでしょう(紙に書き出してもいいかもしれません)。

頭の中をスッキリ身軽にして、ぜひ「余裕な人」になってください。

大橋 しん 理学療法士、アレクサンダー・テクニーク国際認定教師

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おおはし しん / Shin Ohashi

岐阜生まれ、神戸在住。(株)フローエシックス代表取締役。ドイツでチェロの修業中にアレクサンダー・テクニークを知り、帰国後に理学療法士とアレクサンダー国際認定教師の資格を取得。救急病院勤務を経て、整形外科クリニックにて「特命理学療法士」として数々の難しいケースを解決。2020年に独立し、リハビリと太極拳を中心としたスタジオを開設。著書に『魔法のフレーズをとなえるだけで姿勢がよくなるすごい本』(飛鳥新社)がある。

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赤松 かおり 漫画家・イラストレーター

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あかまつ かおり / Kaori Akamatsu

コルクラボマンガ専科5期修了。見た人がホッとするような漫画・イラストを描くため日々修行中。体がかたくて胃腸が弱い。

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