仕事中「なぜか余裕な人」が頭の中でやらないこと マルチタスクをあきらめると能率が上がる理由

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私たちがいま、便利で快適な生活ができているのは、人間の持つ思考能力のおかげです。科学技術に芸術、制度や文化など……思考は、人類に非常に多くの恩恵をもたらしました。

しかし一方では、思考は緊張製造機でもあります。思考は、「あれがイヤ」「あれが欲しい」という理想と、「でもそうじゃない」という現実との間にギャップをつくり、体を緊張させてしまいます。

緊張は頭脳や肉体のパフォーマンス低下につながってしまうので、かえって理想や目的地から遠のいてしまう……という悪循環に陥ってしまうのです。

でも自然体の人は、余計なことは考えませんし、余計な緊張もありません。目的地まで悠々と、最短距離で歩んでいくことができます。なので、「思考を減らしていこう!」というのが、私の主張です。

「考えるのをサボっていたら、社会で生き残れないんじゃないか?」と思う人もいるかもしれませんが、そんなことはありません。人間の頭脳や肉体のパフォーマンスが最大に発揮される「ゾーン」「フロー」という超集中状態では、思考は静まり、時間はゆっくりと感じられます。せかせかとあれこれ考えるよりも、頭の中をスローダウンさせるくらいが、パフォーマンス向上という観点からも望ましいのです。

とはいえ、人間は思考を働かせなければ、社会生活を営んでいくことはできません。

心身を緊張させずに、思考を働かせていくコツは、今ここの体に戻ること。五感や空間にひらいていくことです。そのための具体的なヒントをひとつお伝えしましょう。

思考の量を減らせばパフォーマンスが上がる

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