日本株が「暴落」する可能性はあるのか 日経平均株価の見方を教えよう

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以上、見てきたとおり、今年の3月は、「配当狙いの買い」、「年金買い」、「海外投資家の買い」が、例年以上に重なっていることが特徴です。とはいえ、4月以降も大口投資家による買いが続けばよいのですが、前回の最後でお話しました「日経平均83カ月周期説」によって4月に反動が起きれば、予想以上に大きいかもしれませんので、注意が必要です。

気をつけたい、欧米マーケットの「変調」

筆者が足元で気になるのは、以下の3つです。1)ギリシャのCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)がゆっくり上昇していること(上昇は国の財務状況や信用力が低下しリスクが高まっていることを意味する)、2)米VIX指数(恐怖指数)が十分なところまで下げ、上昇余地が高まってきたこと(上昇は市場の混乱を意味することが多い)、3)米国のダウ輸送株指数が軟調なこと(景気減速局面では輸送株が先行して下落する)、です。

この先、注意すべきタイミングは、米3月の雇用統計が発表になる4月3日(金)前後です。しかも、この日は米国株式市場が「グッド・フライデー」で休場となるため、先に雇用統計の結果を織り込むといったように、東京市場が間違った反応を示す可能性があるためです。

そこで、今からの「具体的な対応策の一つ」を最後に提示して、終わりにしたいと思います。日経平均が15年以来の高値を更新する中でも、忘れてはいけないのが新興市場です。特に、東証マザーズ指数は昨年の夏場以降ずっと低迷が続いていますが、4月中に「爆上げ」してもおかしくない雰囲気が出てきたように思います。

日経平均の「2万円」超えを追いかけるよりも、ひとまずはマザーズ市場に切り替えるという選択肢があります。例えばですが、マザーズ市場に連動する上場投資信託(ETF)などの値動きに注目してみると、面白いかもしれません。

東野 幸利 国際テクニカルアナリスト

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ひがしの ゆきとし / Yukitoshi Higashino

DZHフィナンシャルリサーチ 日本株情報部長。証券会社情報部、大手信託銀行トレーダー、大手銀行などの勤務を経て2006年に入社。マーケット分析やデリバティブ市場のコンテンツを担当。IFTA国際検定テクニカルアナリスト(MFTA)、国際テクニカルアナリスト連盟(IFTA)教育委員、日本テクニカルアナリスト協会理事なども務める。
 

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